全国高校ラグビー、佐賀工が初戦突破…もやもやした展開断ち切ったモール攻勢に枝吉監督「いい判断」
ラグビー・全国高校大会第1日(27日・大阪花園)――開幕し、1回戦9試合が行われた。伏見工を前身とする京都工学院(京都)が聖光学院(福島)に快勝し、現校名では初の花園勝利を挙げた。能登半島地震で被災した日本航空石川(石川)、ノーシードながら実力校の佐賀工(佐賀)と流通経大柏(千葉)、報徳学園(兵庫)も初戦突破。山梨学院(山梨)は大会初勝利。28日も1回戦10試合が行われる。 【写真】第104回全国高校ラグビー大会佐賀県予選の決勝で激しい攻防を繰り広げる選手たち
佐賀工29―19松山聖陵
前回4強の佐賀工が、初戦から流れに乗れずにいた。幸先良く先制トライを挙げたが、追加点が奪えずに逆転を許す。直後に再逆転したが、ここからまたスコアが止まった。もやもやした展開。終止符を打ったのは、磨いてきた武器だった。
3点リードで迎えた前半終了間際。敵陣でのラインアウトからモールを組むと、22メートルラインの外から押し切って最後は主将のNO8中辻がトライ。後半5分にはモールでゴール前まで進み、密集からトライ。スタンドの部員たちの「押せ押せ」の声が響く中、同18分にもモールでインゴールになだれ込み、点差を広げた。
パワーのあるフォワードは佐賀工の伝統だ。スクラムとモールは練習でも時間を割く。「モールで勝負できるとわかった途端、こだわったのはいい判断だった」と枝吉監督は評価した。今大会はノーシードから戦う。Bシードの東海大大阪仰星(大阪第2)と当たる2回戦を前に、持ち味を再確認した選手たち。目標のベスト8に向けて、突き進むだけだ。(渡辺直樹)