超絶決算のトヨタ社員ですら、賃金は“実質ダウン”!「値上げが浸透すれば、いずれ賃上げ」は大ウソだった…社員への負担で成り立つ「大企業最高益」の正体
日本人の高齢者介護より外国人観光客のオモテナシ
現在では、賃上げの決定的な要素は労働人材の受給逼迫によるものしかない。残念ながら一般的なサラリーマンは、事務系職種の有効求人倍率が直近で0.5倍程度なこともあり、もともと賃金が上がる環境には程遠いといえそうだ。 とはいえ、人手不足が伝えられ、賃上げの期待のあるインバウンド業界でも、労働者側の恩恵は限定的だという。 経済ジャーナリストが言う。 「例えば、東京ではコロナ前に9000円で泊まれていたビジネスホテルが、今や日常的となったインバウンド需要で、平日でも2万円に近い。諸経費を差し引いた客室当たりの利益は3倍近いはずです。 しかしそんな荒稼ぎするビジホの求人情報を見ても、この間、1~2割程度しか賃金は上がっていません。また、インバウンドが雇用を増やすといっても、サービス産業はすでに慢性的な人手不足であり、北海道ニセコ地域では、外国人観光客向けの求人に介護人材が流れ、介護事業所の閉鎖が相次いでいるとも報じられていす。 高齢者の介護より、外国人のおもてなしの方が大事というわけですが、そのバイトの時給ですら、東京よりやや高い程度で、現地ニセコではランチですら支払えない金額です」
岸田首相の実弟は外国人材の就労支援に従事
経済成長や企業業績がやがて賃金に反映するという現象は、円安の現在だけでなく、長年、期待値だけで、現実としては起きていない。実際、2002~07年の景気拡大期は「実感なき景気回復」と言われ、2012年からのアベノミクスも「いざなぎ景気超え」と言われ、富が労働者まで滴り落ちるトリクルダウンが期待されていた。 しかしながら、むしろ実質賃金の低下が今に至っても続いているのが現実なのだ 経営層以外の日本人は景気を実感するどころか、単純に下働きするだけの存在に成り下がってしまったのか。しかも政府は比較的安価な労働力として期待する外国人労働者の『特定技能』の在留資格を5年で82万人を受け入れると決めており、“競争相手”増加により、今後も賃金が上がりにくい状況は続きそうだ。 なお、岸田首相の実弟、岸田武雄氏は外国人材の就労支援「フィールジャパン with K」を経営している。さすがに政策とは無関係だとは思うが...。