【“札幌ススキノ首切断”裁判】田村瑠奈被告を核とする“閉じた家庭”で作られた《いびつな親子関係》精神科医の父親・修被告はなぜ娘の暴走を止められなかったのか
浩子被告と修被告が、瑠奈被告を「お嬢さん」と呼び、瑠奈被告も、修被告を父親ではなく「ドライバーさん」と呼ぶなど、いびつな親子関係が明らかになりました。 ◆【父親・修被告の証言~娘への感情】 1日の公判であらためて、親子の歪な関係を示す証言がありました。弁護側の証人として出廷した修被告の証言です。証人尋問は1時間半ほど続きました。 ▽事件後、警察に通報しなかった理由を問われ、次のように語りました。
・『娘を突き出すのは、娘が抱えていた何かを抱えきれず、裏切る行為になると思いできなかった』 ・『いまも娘は相当苦しんで病んでいるから、これ以上娘を追い詰めたくなかった』 ◆ 【父親・修被告の証言内~妄想】
・『それなりに躾をしてきたが、18~19歳から自傷行為やオーバードーズを繰り返し、取り返しがつかなくなりそうだったので、本人を追い詰めないようにすることが望ましいと思っていた』 精神科医で、穂別診療所副所長の香山リカさんに伺います。 法廷で修被告が証言した親子のやりとりから、親子の関係性について、どういったことを印象を持ったでしょうか? 精神科医・香山リカさん 「おそらく、この両親は、何か問題を持っている娘に対して、どう接するか…そのことが自分たちの生活の最優先事項、一番大きなテーマとなっていたと思う」 「その結果、いつの間にか、自分たちの問題を客観視できなくなって、その問題を核として、ある意味、家族が一体化することが、長年続いたと思う」 「父親としては、今となっても娘をかばいたい、追い詰めたくない気持ちがいまだにあって、こうした状況になったのではないかと思う」 事件全体を通じて、両親が田村瑠奈被告に非常に"従属的な様子""が分かってきています。 こうした親子関係について精神科医の香山リカさんは、こう指摘しています。
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