市川團子『天守物語』で玉三郎と本格共演 「食らいついて、たくさん学びたい」
図書之助との共通点は「ありません(笑)」
『天守物語』の印象を問われると、「象徴的なセリフが多く、空気感が緻密に構成されている作品」と回答。「そういった作品に出演する機会が少なかったので、不安や緊張はありますが、楽しみでもあります」と語った。稽古が始まるのを前に、玉三郎からは『天守物語』を収蔵した泉鏡花全集が手渡されたそうで、「(玉三郎から)『ちゃんと自分なりの感情で挑んでほしい』という言葉をいただきました」とアドバイスがあったことも明かした。 自身が演じる図書之助については、「とにかく心がきれいな、美しい青年というイメージがありますし、自分の身分や礼儀をわきまえているところも素敵だなと思います。これまで、あまり演じさせていただいたことのない役柄。恐怖感と楽しみが同居しています」とコメント。具体的な役作りは「やはり、役をしっかり解釈することが、一番の近道だと思う」とし、「台本を読み込むことで図書之助の思いを理解し、舞台に立てたら、少しでも近づけるのではかと思います。『ヤマトタケル』を経験し、台本との向き合い方も変わった」と真摯に語った。 図書之助との共通点を質問されると「ありません(笑)」と素顔をのぞかせる瞬間も。「だからこそ、図書之助のような人を目指したい。強いて言うなら、夢中になると、ひとつのことしか見えなくなってしまうところがあって、そういう部分が似ていたらうれしいですね」と話していた。 「役をどのように解釈するのか、非常に難しい作品だと思うので、心して挑みたい。新しいジャンルに挑ませていただくことになると思いますが、とにかく精一杯頑張って、感情を大切にしながら、それからちゃんと台本と向き合っていければ。お役を咀嚼できるように、そしてお客様に楽しんでいただけるよう頑張ってまいります」(團子) なお、公演に向けて撮りおろした團子演じる図書之助のスチール写真が公開された。團子は祖父・猿翁の写真を傍らに置き、時折じっと写真を見つめてスチール撮影に臨んだといい、團子勤める図書之助の真っすぐな眼差しと凛々しい姿からも、公演への期待が高まる。 <公演情報> 「十二月大歌舞伎」 【第一部】11:00~ 『あらしのよるに』 二代目澤村精四郎襲名披露 【第二部】15:00~ 一、『加賀鳶 本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで』 二、『鷺娘』 【第三部】18:20~ 一、『舞鶴雪月花 上の巻 さくら/中の巻 松虫/下の巻 雪達磨』 二、『天守物語』 2024年12月3日(火)~12月26日(木) ※11日(火)、19日(木)休演 ※21日(土)第一部は貸切(幕見席は営業) ※下記日程は学校団体来観 第一部:4日(水)・5日(木)・6日(金)・12日(木)・18日(水)・20日(金)・23日(月)・24日(火) 第三部:4日(水)・10日(火) 会場:東京・歌舞伎座