誰もが“レース”を体感できる『カート』は休日の人気レジャーになり得るのか? キーワードは「きっかけ作り」
■“とにかく1回”体験してもらえれば……
M4カートレースは「安全に楽しく走って全チーム笑顔でチェッカーを受ける」ことをコンセプトとしたレンタルカートのエンジョイレースで、motorsport.comは昨年7月に新東京サーキットで行なわれたレースに『Exgel motorsport.com』チームとして参加。大学時代にサークル活動としてレンタルカートを楽しんでいた筆者と、先日初めてカートに乗ったという編集部員に、スーパーフォーミュラ参戦中の佐藤蓮とF4ドライバーの野村勇斗というトップドライバーふたりがありがたいことにゲストとして加わり、4人体制でエントリーした。 この新東京ラウンドでは、我々のチーム以外にも多くのエントリーが集まり、実に31台という壮観なグリッドとなった。しかも初心者の割合も高く、レース前に行なわれたカートの乗降や基本操作に関する初心者向けレクチャーでは多くの参加者が競技長の周りに集まり、説明を聞き入っていた。 関係者に話を聞くと、このイベントには協賛企業が社内広報的な意味合いで参加しているケースも多く、そういった背景からも初心者が多いという。ただ1度レースに出た参加者はその魅力に取り憑かれ、「次回こそはタイムを削る」との意気込みでその後も積極的に参加しているという話も聞かれた。とにかく1度走ってもらえば、カートの良さが分かるはず……そう考えている者も少なくないようだが、その“1度”に踏み切ってもらうまでのハードルがいくつかあるというのもまた事実だろう。 ハードルとして挙げられるものはいくつかあるが、よく指摘されるのがアクセス面と金銭面。カート場は、4輪レースの大型サーキットほどではないにしても、土地や騒音の問題もあって公共交通機関で行きづらい場所に多いことは確か。またレンタルカートで遊ぶとなると、10分前後の走行で数千円かかることが多い。例えば「カートの走行は10分で3000円です」と聞くと、初めてカートを体験する人はぎょっとしてしまうかもしれない。 ただ、「アクセスが悪くお金もかかるからカート人気の向上は難しい」と断じてしまうのも、いささか乱暴だと思ってしまう。ディズニーランドのようなテーマパークだって、大人の趣味の代表格であるゴルフだって、最近流行りのキャンプだって、皆それなりに時間と労力をかけて現地に向かい、安くないお金をかけて楽しんでいるわけであって、アクセス面や金銭面はあくまでひとつの要因に過ぎず、それが全てではない。やはり、いかに多くの人に「カートで遊ぶこと」に価値を感じてもらうかが何より重要であり、そこは前述の「とにかく1度走ってもらえれば……」という部分にも繋がってくる。
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