児童が通学で利用『路線バス』休止へ 小学校まで子どもが歩くと1時間以上...歩道がない場所もあり保護者たちは困惑 バス会社は“採算割れや人手不足”で苦渋の決断
「2024年問題で、運転手の労働環境改善が乗務員不足の大きな要因に」
この路線を運行するバス会社は「休止は苦渋の決断だった」と話します。 (神姫バス総務部 小森亮介次長)「減らしていかなければならないという中で、基準となるのは、どれだけ乗っていただいているか、どれだけ収入があるか。大変申し訳ないですが、判断させていただいた」 利用者の多くは“運賃が半額”になる児童。一般の乗客はほとんどおらず、採算割れが続いていたといいます。さらに… (神姫バス総務部 小森亮介次長)「2024年問題で、運転手の労働環境改善が乗務員不足の大きな要因に」 バス運転手などの時間外労働の上限が規制される『2024年問題』で、人手不足が深刻化したことなどから休止せざるをえなかったというのです。 今後について、心配しているのは子育て中の保護者だけではありません。 (地元住民)「この地域は『市街化調整区域』で住宅が建てられない。少しずつ人口が増えてきているのに、バスがなくなったら子どもがいなくなるし…」 平野町は、開発が制限されている市街化調整区域になっています。そのため、他の地域からの流入は少なく、子育て世帯の多くがこの町で育った人たちです。しかし、通学手段がなくなれば、町に住もうと思う人が減ってしまう懸念もあるのです。
地域住民の声に神戸市は…
地域のこうした声について、神戸市はどう考えているのでしょうか。 (神戸市教育委員会・学校教育課 都築浩司課長)「西区は子どもの数も少なくなってきています。公共交通がなくなることは人口減にも影響あるかと思います。教育委員会としては、児童が安心して学校に通えるようにと考えることが一番の仕事かなと思っていますので、それに向けて全力で取り組んでいるところです」 そして10月15日、保護者のもとに市から今後についての連絡がありました。 (政井友理枝さん)「バスが休止になった児童を対象に、タクシー会社等で代替通学手段を確保したいと連絡がありました」 バスの代わりに、タクシー事業者などに送迎業務を委託する方針を伝えてきたのです。 (政井友理枝さん)「何も手段がないという不安なところから、一筋の光が伸びている感じです。安全に通学させたい、ただそれだけを願っているので、その方法をしっかりと考えていってもらえたらいいなと思います」 神戸市は年内をめどに事業者の選定やどんな車両を使うのかなどを決め、来年4月からの運用を目指すとしています。 (2024年10月31日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)