サラヤ、衛生環境に貢献する薬用ソープは創業の原点
■ 70年前の日本と似たウガンダの衛生向上にも貢献
――売り上げの1%を、アフリカ・ウガンダの手洗い普及活動に寄付する活動にも取り組んでいますね。 伊藤:「100万人の手洗いプロジェクト」は、創業60周年記念事業として2010年にスタートしました。ウガンダの衛生環境はちょうどサラヤ創業当時の日本と似ており、手を洗う習慣が根付いておらず、水や手洗い設備などのインフラ整備も課題となっています。 5歳未満児の死亡率は1000人あたり55人(日本は2人)で、手洗いさえすれば救える命も少なくありません。そこでウォシュボンを含む衛生商材の売り上げの1%を公益財団法人日本ユニセフ協会に寄付することで、ユニセフがウガンダで展開する手洗い普及プログラムを支援しています。 目指すのは一方的な支援ではなく、ウガンダの人々が自立することです。サラヤは現地法人SARAYA East Africaを設立し、薬用石鹸やアルコール手指消毒剤の現地生産を行っています。アルコールは主に院内感染防止に使われており、医療従事者への教育・普及活動にも取り組んでいます。 ――ウォシュボンやウガンダの手洗いプロジェクトに対しては、どのような反響がありますか。 伊藤:「使い心地がさっぱりしている」、「他にはない香りを手軽に購入できるのが嬉しい」といった声のほか、パッケージのデザインが洒落ているとSNSで取り上げていただく機会も増えています。 「サラヤの製品だから選んだ」というお客さまもいらっしゃいます。これは「ヤシノミ洗剤」を通したマレーシア・ボルネオ島の環境保全など、サラヤのモノづくりに対する共感が広がっている証ではないかと考えています。 全国のスタジオで採用したABCクッキングスタジオのように、サステナブルな商品やサービスを求める企業からの関心も高まっています。「SDGsに関連した製品の棚を作りたい」といった理由で、ウォシュボンを置くドラッグストアやスーパーも増えています。 ウガンダのプロジェクトについては、学校から取り組みを話してほしいと講演の依頼をいただく機会が多くなりました。手を洗うことはお子さまにとって身近なトピックなので、社会問題や環境問題に関心を持つ最初の一歩になりやすいのでしょう。 近年はサラヤが取り組んできたことが「環境」や「エシカル消費」といったキーワードで世の中の価値観にマッチするようになり、明らかに時代の波が変わっていると感じています。
※サラヤの「ウォシュボン」は、オルタナとサステナ経営協会が共催する「サステナブル★セレクション2024」の三つ星に選ばれました。次回の一つ星エントリーは、1月14日まで受け付け中です。 エントリーフォームはこちら(https://www.alterna.co.jp/135966/)