【精神科医が教える】職場にいる他人の悪口を言う人へのNG対処とは?
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります! ● 悪口を鵜呑みにするべきではない 今日は「人の悪口は基本的に信用しないほういい」というお話をしたいと思います。 誰かが他人の悪口を言っている場面に出くわすことは、珍しいことではありません。 「あの人はこういう人らしい」とか「こんなことをしたらしい」と聞くと、つい信じてしまいたくなる気持ちもわかります。 でも、私は基本的にこうした悪口を鵜呑みにするべきではないと考えています。その理由をお話ししていきますね。 ● なぜ悪口を言うのか? まず、誰かが悪口を言っている時点で、その人自身の品格や人間性についても疑問が生じます。 もちろん、誰しも完璧ではないですし、人間関係において意見がぶつかり合ったり、ときには感情的になることもあります。 だから、一度も悪口を言ったことがない人なんて、まずいないと思います。 ● かなり誇張されている ただ、悪口を言っているということは、その人と悪口の対象になっている人との関係がよくないことを意味しています。人間関係が良好な相手のことを、わざわざ悪く言う必要なんてありませんからね。 つまり、悪口を聞いたときにわかる確かな事実は、悪口を言っている人とその対象の人は、仲がよくない。あるいは、何かしらの問題がある、ということだけです。 悪口の内容そのものが真実であるとは限りません。それどころか、悪口というのは多くの場合、かなり誇張されているものです。 ● 悪口は一種の「宣伝活動」 言っている人の主観的な視点や感情が入るため、実際の事実とはかなり違うこともあります。さらに、悪口を言う人が、それを他人に話す理由を考えると、「自分の仲間を増やしたい」という意図がある場合が多いです。 要するに、自分と悪口の対象となる人が対立しているときに、その対立に加わる仲間を増やしたいわけですね。だから、悪口というのは一種の「宣伝活動」のようなものなのです。 その目的を考えれば、内容をそのまま信用するのは危険です。では、悪口を聞いたとき、どう対処すればよいのでしょうか。 ● バイアスに惑わされずフェアに接する まず第一に、真に受けないこと。もちろん、「火のないところに煙は立たない」と言うように、頭の片隅に置いておく程度は構いません。 ただ、そのまま信じて、悪口の対象となっている人を警戒したり避けたりするのは避けたほうがいいです。 実際にその人と会ったときには、悪口の影響を受けず、フェアに接することを心がけるべきだと思います。 ● 警戒するべき相手 むしろ警戒すべきなのは、悪口を言いふらしている人のほうです。その人のほうに悪意がある可能性が高いからです。 たとえば、AさんがBさんの悪口を言っているけれども、BさんはAさんの悪口を全く言っていない、というケースを考えてみてください。 この場合、悪口を言っているAさんのほうに問題があると考えるのが自然です。Bさんのことを冷静に見ても、特に悪い言動が見当たらないなら、Aさんの悪口を信用する必要はありません。 ● 冷静に相手の言動を判断 最終的には、相手の言葉ではなく、自分自身の目と感覚で行動をよく観察することが大事です。悪口に惑わされず、その人の実際の振る舞いや態度を見れば、真実が見えてくるはずです。 言葉に振り回されるのではなく、冷静に相手の言動を判断する癖をつけてくださいね。 ※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
精神科医 Tomy