超音速旅客機「XB-1」が初飛行に成功!JALも投資する商用音速機「OVERTURE」実現への第一歩か
アメリカで超音速旅客機のプロトタイプ機「XB-1」が空を舞い、テスト飛行を成功させた。テスト飛行は音速に達しなかったものの、超音速旅客機の実現に大きく前進した形だ。 【動画】すごい!XB-1のフライト風景 テスト飛行を行ったXB-1は、米コロラド州で超音速旅客機を開発するスタートアップ「ブーム・スーパーソニック」が開発。カリフォルニア州のモハベ空港・宇宙港から離陸した。 同機は高度7120フィート(約2.2km)まで上昇し、最高速度は時速273マイル(439km/h)に達した。飛行は音速(約1225km/h)に達しなかったが、同社のニュースリリースによると、事前に目標設定された高度と速度に安全に達し、計画されたテスト内容をすべてクリアした。 ブーム社は今後、性能と操縦性に関するデータを得るため、飛行速度を音速(マッハ1)にまで段階的に引き上げる計画を立てている。
米メディア「画期的な瞬間」
ブーム社は超音速商用旅客機「OVERTURE」の開発を進めており、XB-1のテスト飛行で得たデータが開発に生かされる。 米CNNはXB-1の初飛行について、「期待される超音速旅行の新時代に向けた、画期的な瞬間」であったと報道。「単独の企業によって開発されたものとしては世界初の超音速ジェット機であり、ブーム社の商用機『OVERTURE』開発への道を開くものである」とも述べている。 同社のブレイク・ショールCEOは、CNNの取材に応じ、「音速の壁を初めて破るべく、今後5~7カ月をかけ、10~15回の飛行を予定しています」と明かしている。 ブーム社の主席テストパイロットであるビル・シューメイカー氏は、「今回のマイルストーン達成で得た経験は、ブーム社が進める超音速旅行の復活の面で、貴重なものとなるでしょう」とコメントした。 米テックサイトのアーズ・テクニカは、XB-1がオーバーチュアよりも低コストで生産できると指摘。超音速飛行のノウハウを効率的に習得し、オーバーチュアの最終的な設計プランに反映したい計画だと伝えている。 CNNによるとブーム社はすでに、アメリカン航空、ユナイテッド航空、日本航空(JAL)などから計130件の発注および予約注文を受けている。2029年頃までに納入する予定だ。JALは以前、20機分の優先発注権を確保していると報じられていた。