シャンパンファイトで歓喜の大谷翔平ら　（ＡＰ）

◇30日（日本時間31日）　大リーグワールドシリーズ第5戦　ヤンキース6―7ドジャース（ニューヨーク） ◆デコピン、トロフィーに「お手」ちょこん【写真】 　ドジャースがヤンキースに逆転勝ち。4勝1敗とし2020年以来4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝いた。メジャー7年目でエンゼルスから移籍して初年度の大谷翔平選手、1年目の山本由伸投手も頂点に立った。 　高校時代から目標にしたメジャーの頂。大谷が愛着あるエンゼルスからドジャーブルーのユニホームに袖を通した理由はたった一つだった。「勝ちたい」―。その思いはニューヨークで見事に結実した。シャンパンとビールでびしょぬれになった大谷は「最高以外の言葉がない」。涙はなく、満面の笑みが広がった。 　試合後、ヤンキースタジアムの特設会場の壇上で、盟友のベッツと抱き合った。クラブハウスでのシャンパンファイトでは、カーショーと胸を重ねた。「勝ちたい」と願う選手の集団に身を置いた。こういう環境をずっと求めてきた。「このチームで1年できたことに感謝したい」。これは紛れもない本音だった。 　優勝後の会見では「1番から9番まで自分の仕事を常にプロフェッショナルにこなしていく、そういう選手が集まっていた」と振り返った。勝利への思いを共有する仲間に出会えた。そして、大谷自身も全力で準備し、全力で戦った。その姿勢にチームメートは心打たれた。大投手のカーショーをして、「彼が勝利にどれほどこだわっているか。想像以上の選手だった」と言わしめた。 　初めてのワールドシリーズは第2戦で左肩を亜脱臼。その後強行出場を続けたものの、本来の打撃は影を潜めた。それでも、マンシーやロハスらチームメートはこう口をそろえた。「彼の存在自体が脅威なんだ。彼が打線にいることが重要なんだ」。打てなくても、1番の打席に背番号17が立つことがチームに安心感を与えた。 　今年4度目のシャンパンファイト。大谷は編成トップのフリードマン編成本部長に美酒を浴びせて、こんなふうに声をかけた。「9 MORE TIMES（あと9回やろう）」。ドジャースとの10年契約の1年目で頂点に駆け上がった。来季は投手としての復活も待っている。大谷は本気で10連覇を狙っている。（写真はAP）