年末ジャンボ宝くじは当たりませんでしたが、今後も宝くじを買おうと思います。もし当たったら税金など注意点は何ですか?
例外とその注意点
繰り返しになりますが、給与や事業等の収入に対して課税される「所得税」や「住民税」はかかりません。ただし、場合によっては、「税金」の課税対象となることがあります。 ■当せん金が相続財産となる場合 当せん金を受け取った後に亡くなった場合、配偶者や子などの相続人は、相続財産として引き継ぐことになり「相続税」の対象となります。相続人の数やその他の資産状況にもよりますが、年末ジャンボなど高額な賞金額であるほど相続税が発生する可能性は高いでしょう。 ■当せん金を贈与する場合 受け取った当せん金を他人にあげる(贈与する)場合には、「贈与税」がかかる可能性があります。 この場合、当せん者(あげた人)ではなく、贈与された人(受贈者)に申告・納税義務が生じることに注意が必要です。贈与税には非課税枠があるため、年間110万円までであれば、申告不要で贈与税はかかりませんが、110万円を超える場合には、超えた金額に応じて贈与税がかかります。 また、グループや職場など数人での「共同購入」の場合には、当せん金の受け取り方に注意が必要です。代表者から共同購入者への分配は、「贈与」とみなされ、贈与税の対象となります。 税務署からの問い合わせや指摘を回避するためにも、共同購入者全員で出向くことをおすすめします。また、その際には、それぞれの受け取り分を記載した「宝くじ当せん証明書」を忘れずに受け取りましょう。 ■当せん金を事業に使う場合 自営業など個人事業主が当せん金を事業に使う場合には「事業所得」として、また、個人から法人に譲渡する場合には「譲渡所得」として所得税がかかる可能性があります。事業資金として繰り入れる前に、税理士等へ相談することをおすすめします。
まとめ
宝くじは、購入時に税金を納めていることになるため、当せん金は、所得税など税金は差し引かれず、そのままの額を受け取ることができます。ただし、贈与や相続発生時など、場合によっては課税されるケースもあるため注意が必要です。 当せん確率は決して高くはありませんが、ゼロではありません。大きな金額を受け取ることで生活が一変し、思わぬトラブルに巻き込まれるケースなども見られます。これまで以上に、お金や人生と向き合うことが大切です。当たっても、当たらなくても、いずれにしても、夢や期待を持って、それぞれの人生を楽しみたいものです。 なお、年末ジャンボ宝くじが当たらなかった方も、また、年末ジャンボだけでなく、過去1年間の抽選済み宝くじの「ハズレ券」に敗者復活戦があることをご存じでしょうか。 毎年9月2日(く・じ)の「宝くじの日」には、「お楽しみ抽選」が行われ、当せん者は商品を受け取ることができます。もともとは、換金もれを防止することが目的のようです。億万長者になる夢は叶わなかったかもしれませんが、ハズレ券でも捨てずに、今年の9月2日に再度確認してみましょう。 出典 (※)宝くじ公式サイト「宝くじの収益金の使い道」 執筆者:大竹麻佐子 CFP(R)認定者・相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部