アジアカップ敗退で見えた日本人選手の立ち位置の変化
そもそも、アジアカップが1月に開催されることが問題なのだ。
日本だけではない。韓国代表でも孫興民(ソン・フンミン)や李康仁(イ・ガンイン)など、主力選手の多くがヨーロッパのビッグクラブで活躍している。中東勢ではほとんどの選手が国内組ではあるが、それでもヨーロッパでプレーする選手は何人もいる。また、東南アジア勢はヨーロッパ生まれ、ヨーロッパ育ちで現在もヨーロッパで活躍している選手を代表に招集することで強化を進めている。
そのため、アジアカップが1月から2月にかけて開催されることによって、多くのアジア人選手がクラブから離れざるを得ないのだ。
アジア人選手がクラブを離れることは、ヨーロッパのクラブの監督にとっても大きな問題となる。2024年1月から2月にかけてはアフリカ・ネーションズカップも開かれていたから、何人もの選手がクラブを離れる場合もある。
リバプールではレギュラーポジションをつかみかけていた日本代表の遠藤と攻撃の主役であるエジプト代表のモハメド・サラーがチームを離脱した。そして、モハメド・サラーはネーションズカップで負傷を追ってしまう。
あるいは、スタッド・ランスは伊東純也と中村敬斗という両翼が日本代表に招集されてしまった。
もちろん、「すべての大会日程をヨーロッパの都合に合わせるべきだ」というのは一種の帝国主義ではあるのだが、実際問題としてアジアやアフリカを代表するような選手の多くがヨーロッパのクラブで活躍している現実を考えれば、やはり、大陸選手権はワールドカップやEUROと同じように、ヨーロッパのサッカーがシーズンオフに入る6月に行うのが望ましい。
それは、ヨーロッパのクラブのためだけではない。
代表選手たちがクラブのことを忘れて代表活動に集中できるようにしなければ、アジアカップやアフリカ・ネーションズカップで彼らが最高のパフォーマンスを発揮することは難しいからだ。
ただし、アジアカップは今後も中東諸国でしか開催できそうもないし、そうなると気候的な理由で6月開催は不可能になる。アフリカの多くの国でも、やはり気象条件を考えると6月開催は難しいのかもしれない。
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