前が空いてるのに右側車線からどかないクルマ問題! 「右車線」が「追い越し車線じゃない」都市高速などでは問題がない行為なのか?
追越車線がない場合の右車線の役割
首都高速や名古屋高速などでは、右側の車線に合流して右側の出口から出るという場所があります。一般的に右側の車線は追い越しのために空けておくというのが基本となりますが、首都高速や名古屋高速などでも同じなのでしょうか。今回は、右側の車線が追い越し車線かどうかについて解説します。 【画像】高速道路の出入り口に振られている数字の正体
もっとも右側の車線のすべてが追い越し車線ではない
首都高速・名古屋高速などの高速道路や一般道路では、もっとも右側の車線を追い越し車線と呼ぶことがあります。 このように呼ばれる理由は、道路交通法第20条第1項に「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」や「最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる」という条文があるのと、道路交通法第28条「車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両の右側を通行しなければならない」という条文があるためです。 ただし、これはあくまでも原則(基本)です。 道路には、さまざまな例外があります。また、道路状況や進路などによっては右側の通行帯を通行しなければならないこともあります。
道路交通法第20条における例外とは?
道路交通法第20条第3項では、「車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる」と定めてられています。 前二項の規定とは「車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項(一番左側または最も右側の車両通行帯以外を通行しなければならない)に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない」という定めです。 つまり、通行の区分が指定されているときや何らかの理由があるときは、一番左側もしくはもっとも右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行し続けなくてもよいということになります。 よって、首都高速や名古屋高速など、右側の車線に合流したり、右側の出口から出たりする場合は、もっとも右側の車線(いわゆる追い越し車線)を通行していても通行帯違反になることはありません。なぜなら、入口や出口が右側の道路に接続されており、右側の車線を通行しなければならないという明確な理由があるためです。
原則と例外を混同させないことが重要
道路を通行するときは、もっとも右側の車線を空けて通行するという原則と、通行帯が指定されているときや理由があるときなどは右側の車線を通行しても問題ないという例外を区別して理解しておくことが重要です。 原則と例外を混同させてしまうと、それぞれのドライバーで意見が異なったり、取り締まられたときに「理不尽!」と思ったりしてしまいます。原則と例外の混同でトラブルに発展しないようにするためにも、ルールの正しい理解が大切だといえるでしょう。
齊藤優太