大谷翔平の50本塁打-50盗塁に沸いた今季 日本で最も近づいたのは誰だったのか
ドジャースの大谷翔平選手は今季、MLB史上初となる54本塁打-59盗塁をマークして、「50-50」の壁をぶち破った。一方、日本のプロ野球で大谷に最も近い数字を残したのは誰だったのだろうか。 【写真】会心の一発!2019年、35本塁打を放ったヤクルト・山田 両リーグ最多本塁打を放ったのはソフトバンク・山川で34本塁打。ヤクルト・村上が33本。巨人・岡本和が27本、DeNAの牧と、中日の細川が23本、ソフトバンクの栗原が20本で続いた。 日本選手で20本塁打を放ったのが6選手。今季は序盤から「ボールが飛ばないと」いった声をよく耳にしたが、それでも30本塁打以上をマークした選手は各リーグで1人ずつだった。 20本塁打を放った6選手の中で、2桁盗塁をマークしたのは10盗塁の村上と、11盗塁の牧だけ。山川と細川は0盗塁に終わっている。 盗塁部門に目を移すと、両リーグトップはソフトバンク・周東の41盗塁。以下、32盗塁で楽天・小郷、チームメートの小深田が29盗塁、同じく辰己も20盗塁で続いた。セ・リーグ盗塁王の阪神・近本は19盗塁にとどまり、両リーグで10盗塁以上をマークして10本塁打以上を放ったのは、村上と牧を除くと、19本塁打-11盗塁のソフトバンク・近藤のみとなっている。 MLB162試合、NPB143試合という分母の違いはあるが、今季のNPBでは大谷の50-50には遠く及ばず、村上の33本塁打-10盗塁、牧の23本塁打-11盗塁、近藤の19本塁打-11盗塁による「10-10」が3人という図式になった。 過去にNPBで30本塁打-30盗塁をマークした選手は12人で、直近では2019年にヤクルト・山田が35本塁打-30盗塁をマークするなど、「30-30」を4度記録している。ほかではソフトバンク・柳田も2015年に34本塁打-32盗塁をマークしているが、山田の2019年を最後に「30-30」の達成者は現れていない。 そのほかでは、西武・秋山が1987年に43本塁打-38盗塁、1990年にも35本塁打-51盗塁で日本選手初の「40-40」に接近したが、惜しくも達成を逃した。 ちなみに日本選手のシーズン最多本塁打は2022年のヤクルト・村上が記録した56本塁打で、村上の自己最多盗塁数は2021、22年の12盗塁。また、日本選手のシーズン最多盗塁は1972年に阪急(現オリックス)・福本が記録した106盗塁。福本は自己最多の21本塁打を放った1980年に54盗塁をマークし、「20-20」を達成している。 前述したように試合数の違いはあるにせよ、今季の大谷が打ち立てた54本塁打-59盗塁という数字が、いかに超人的なものであるかが改めてうかがえる。(デイリースポーツ・鈴木健一)