高松塚木棺、古代の姿に復元 盗掘で破壊、残片を分析
奈良県明日香村の高松塚古墳の木棺が復元され、県立橿原考古学研究所が8日、報道陣に公開した。木棺は鎌倉時代の盗掘で破壊されたとみられ、残っていた木棺片や付属品の分析を基に古代の姿が再現された。 木棺は長さ約2m、幅約60cm、高さ約50cm。スギ材で黒漆が塗られ、金銅製の飾り金具が付けられている。内部は朱で塗られ、金箔を張った棺台に置かれている。 底板や多数の木棺片、付属金具などは、極彩色壁画が見つかった1972年3月の調査で出土した。同研究所は、壁画の発見50年となる昨年から奈良文化財研究所や東京芸術大の研究者などと共同で、出土品や石室に残る跡を分析し、復元研究を進めていた。