"生成AIの次"と期待、量子コンピューター関連有望11銘柄
量子コンピューターは「数万年かかる計算をわずか数分で解く」ことなどが可能なため、革命的な技術革新が期待されている。それにより、我々の生活も大きく変わるかもしれない(イメージ写真:Ystudio / PIXTA)
生成AI(人工知能)に次ぐ“ゲームチェンジャー”が現れるとすると、それは何か。おそらく「量子コンピューター」であろう。 「次世代コンピューター」といえばスーパーコンピューターを思い浮かべる人も多いと思うが、いま開発されている量子コンピューターはスーパーコンピューターで数万年かかる計算をわずか数分で解くなど、革命的な技術革新が期待されているのだ。 量子とは、物理学で用いられるさまざまな物理現象における物理量の最小単位のこと。原子や電子、光子が代表的で、ナノサイズ(1メートルの10億分の1)、あるいはそれよりも小さな世界だ。そこでは従来の物理法則は通用せず、量子力学という特殊な性質や振る舞いにより読み解く特異な法則に従う。 量子コンピューターは量子力学の原理を計算に応用したコンピューターで、代表的な特徴として「量子重ね合わせ」という不思議な現象を計算処理に活用する。従来のコンピューターでは「0」と「1」によって表される情報単位「ビット」により計算する。が、量子コンピューターでは「0」と「1」に加えて、「0と1の状態を同時に持つ」重ね合わせを用いて並列計算する。 この情報単位を「量子ビット」という。これにより、計算速度が飛躍的に上がり、膨大な組み合わせの中から最適を選ぶことが従来のスーパーコンピューターに比べ1億倍以上になることを可能にするといわれる。 もう1つの特徴として「量子もつれ」がある。これは、対となった量子の一方の状態がもう一方に瞬時に伝わる現象で、これを利用することで複雑な問題解決につながる。
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野津 滋