【阪神】近本光司が長いトンネルを抜ける御礼打、30打席ぶり適時打
<広島0-3阪神>◇2日◇マツダスタジアム 阪神近本光司外野手(29)が長いトンネルを抜けた。4打数無安打で迎えた延長10回の1死二塁。島内の直球を捉えた打球は、左翼手の頭上を大きく越えた。悠々と二塁に到達するスタンディングツーベース。先制点を奪った直後のダメ押し打。6月18日日本ハム戦以来、30打席ぶりの適時打となった。 【写真】ベンチ前で笑顔を見せる近本 「ヒットになって良かったです」 6月25日中日戦(倉敷)から続いた無安打記録は今季最長タイの17打席まで伸びていた。8回無死一、二塁の前打席では岡田監督から直接呼ばれてささやかれた。「打て」-。近本は「ありがとうございます。頑張ります」と返して打席に向かった。 「プレッシャーにはなりますけどね。でも、監督の一言はすごく大きいと思いますし。あまり言われることはないですけど」 結果は中飛だったが、二塁走者の三塁進塁に成功。指揮官は「本人はバントと思ってるかも分からんけど、中途半端に打たすんやったら、なあ」と意図を説明した。不振が続く中でも、信頼は変わらない。言葉に応える一打を、直後の打席で決めた。 この日は球宴のファン投票最終結果が発表。89万6913票でセ・リーグ外野手部門1位を獲得し、自身5度目の選出が決まった。昨年は死球による「右肋骨(ろっこつ)骨折」で出場辞退。「去年はケガで出られなかった。今年はしっかりその舞台に立って楽しくプレーできたら」と元気な姿を誓った。虎党にも感謝を伝える“御礼打”で試合を決めた。【波部俊之介】