名目GDP、ドイツに抜かれ世界4位も 名目成長率で中国を上回り「伸びしろ」は大きい日本
元日本銀行政策委員会審議委員でPwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士が2月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。世界4位になった日本の名目GDPについて解説した。 【グラフ画像】日本とドイツの名目GDPの推移
2023年の日本の名目GDP、ドイツに抜かれ世界4位に
2月15日に内閣府が発表した2023年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前の3ヵ月と比べ0.1%減少、2四半期連続でマイナス成長となった。年率換算では0.4%のマイナス。また、2023年1年間の名目GDPは、ドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれ世界4位となった。
インバウンド効果や特許権等の使用料の拡大による輸出の増加が弱く、全体としてはマイナス成長に
飯田)「4位になった」とわざわざテロップ付きで速報を出したテレビ局もありましたが、どう見たらいいのでしょうか? 片岡)順位付けにはあまり意味がないのですが、まずGDPの結果から言うと、足元の10~12月期のGDP自体はマイナス成長になっています。内需はマイナス、外需はプラスといったところで、全体的に内需の弱さが際立っています。もともと輸出などの外需はプラスで、「全体としてはプラスかな」という見通しを立てていました。しかしインバウンド効果や、特許権等の使用料の拡大による輸出の増加が思った以上に弱かったという印象です。 飯田)季節調整済みの実質の数字を見ると、輸出入を差し引いた寄与度は0.2%のプラス。一方、内需全体がマイナス0.3%で、差し引きすると0.1%のマイナスになります。輸出はプラス2.6%だったけれど。 片岡)もう少し増えるかなという読みはありましたが。
公共投資なども奮わず、内需が弱かった
飯田)マーケットの中央値などを見ても微妙にプラスだろうと思っていたけれど、マイナスになった衝撃はあったのでしょうか? 片岡)ただ、前期比マイナス0.1%なので、ほとんど誤差の範囲内だと思います。底打ちベースなので、例えば消費や設備投資などが上方に改定されれば、またプラス成長になるかも知れない。微妙な結果だったと思います。ただ、内需が弱いということです。 飯田)民間需要もそうですし、今回は公的需要も寄与度マイナス0.1%でした。 片岡)公共投資なども奮わなかったですね。