名目GDP、ドイツに抜かれ世界4位も 名目成長率で中国を上回り「伸びしろ」は大きい日本
4月に利上げを行う、ないしは金融緩和策をやめるというコンセンサスが形成されているのが現状
片岡)2013年辺りからアベノミクスという形で、長期停滞を財政政策、金融政策、成長戦略の「3本の矢」で取り戻そうという試みがなされました。成果はあったものの、やはりまだ完全には取り戻せていません。2023年辺りから各国のインフレ率が上がってきて、日本もグローバルインフレの影響を受けるようになりました。原材料価格が上がり、インフレ率も高まって、企業は防衛的に賃金を引き上げた。そのなかで設備投資や消費を少しずつ改善するような動きになりました。 飯田)弱いながらも。 片岡)雇用が改善し、賃金や株価、物価も上がり、所得と支出の好循環の半分くらいがようやく改善してきたのがいまの状況です。総需要が強ければ所得や支出が増え、物価が上がる形で好循環が回っていくため、2%の物価安定目標を達成できそうな流れになっていますが、足元では「総需要が弱い」という結果になりました。しかし、日銀や政府のなかでは4月に利上げを行う、ないしは現行の金融緩和策をやめるというコンセンサスが何となく形成されている。市場もそれを期待するような雰囲気があるのが現状です。