本拠地最終戦セレモニーで整列する岡田彰布監督（中央）ら阪神ナイン＝9月30日、甲子園（松永渉平撮影）

V逸で一気に注目が集まる岡田彰布監督（66）の去就ですが、「続投が最善手」という客観的な情勢に何ら変化はありません。セ・リーグ連覇を目指した阪神の夢は散りました。9月28日の広島戦（マツダ）に8－1で勝利した巨人が4年ぶり39回目のリーグ制覇を達成。同時に今季で2年契約が切れる指揮官の進退問題がクローズアップされてきました。しかし、15年ぶりに阪神監督に復帰した昨季以降、チームはリーグ制覇と日本一、そして今季も驚異的な追い上げをみせるなど、その手腕を評価する材料が並んでいます。目の前には逆転日本一への〝階段〟も…。余人をもって代え難いはずですね。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 ■注目される去就 連覇霧散の日から、阪神球団の周辺は一気に騒がしくなってきました。レギュラーシーズンはあとわずか…なのに、岡田監督に対する球団からの続投要請はありません。今季で2年契約が切れる指揮官の処遇はどうなるのか？　誰だって気になるのは当たり前ですね。 優勝へのマジックを1としていた巨人が広島戦（マツダ）に8－1で快勝し、阿部慎之助監督（45）が10度も宙に舞った9月28日の夜、阪神は神宮のヤクルト戦に2－7で敗れて連覇は霧散。その瞬間、球団内外の注目は一気に名将の去就に向き、神宮のベンチ裏では粟井一夫球団社長が報道陣に囲まれていました。 「みんなの調子がなかなか上がってこない厳しい中で、ここまで持ってきていただいた」と指揮官をねぎらった球団社長は、続けて「勝てなかったことは、監督だけではなく球団全体で受け止めないと、と思います。日本シリーズの連覇を目指したい。そういう状態のチームなので。人事に関することは、しばらくコメントを差し控えさせていただきたい」と話しました。 ■監督交代を示唆 この世界を長く取材した経験から見れば、これは普通なら「監督交代」のシグナルです。前日に東京都内で行われた12球団オーナー会議に出席した杉山健博オーナーも監督の去就を聞かれて「今日皆さん方にお話しすること、あるいはお話しできることは何もございません」という発言を残していますね。 2年契約の最後のシーズンの土壇場で、まだ「話せることが何もないんです」とは、普通に考えれば「岡田続投」ではなく、次の候補に目移りしている舞台裏を示唆している…と勘繰られても仕方ありません。