阪神ブルペン陣の若きエース、桐敷拓馬「そろそろ僕の出番だな、と分かるようになった」 岩崎優からの助言にも感謝
【球界ここだけの話】 昨季は救援投手として1軍に定着した。3年目の今季、連覇を目指す岡田阪神に欠かせない存在となったのは、ブルペンの若きエースとして開幕からフル回転している桐敷拓馬投手(24)だ。 【写真】試合に勝利し、ベンチを出る阪神・桐敷拓馬、岩崎優、大竹耕太郎 「昨年はがむしゃらにやっていました。今年はブルペンで準備をしていて『そろそろ僕の出番だな』と分かるようになって、気持ちにも余裕が出てきた」 11日現在で16試合に登板し、2勝0敗、16ホールド、防御率1・13。登板12試合連続無失点中だ。魅力は150キロ前後の速球に落差のあるフォークやスライダーを織り交ぜて打者を抑えられること。リリーバーの条件である抜群の制球力にハートの強さを兼ね備えている。 昨季開幕は先発だったが、岡田監督が「短いイニングのほうが力が発揮できる」とアドバイスを受けてリリーフに転向すると27試合に登板して防御率1・79の好成績でリーグ制覇&日本一に大きく貢献。今季はダブルストッパーの岩崎&ゲラにつなぐセットアッパー。状況によっては負けた展開でも登板することがある。 「もちろん疲れはありますけど。去年はブルペンで肩を何度も作っていた。今年は自分の役割がはっきりしている。それに岩崎さんがいるのも僕にとっては心強い」 ブルペンで岩崎らと会話することでリラックスできる。長年、救援でコンスタントに数字を残している岩崎は、まさに生き字引だ。 「岩崎さんには、いろいろ話を聞いてもらったり、アフターケアのやり方なども参考にさせてもらっている」 前回政権時(2004年~08年)は藤川球児の10連投など、リリーフ陣を酷使したことが話題となった岡田監督も「時代が違う」と決して無理をさせない。桐敷は、ここまで2連投が最高だ。 「首脳陣の方も体のことを配慮していただいて。ありがたいです。一年、けがなく乗り切るのが目標」 昨季、何度もピンチを断ち切った桐敷を「スペードのエース」と評した虎将。10日から体調不良で欠場中だが、心配はいらない。今季はゲラ、岩崎とともにブルペンの中心的存在だ。(三木建次)