旅先で出会った〝親切な家族〟こんな怖すぎるおもてなしはイヤだ! 映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』
【エンタなう】 旅先で出会った〝親切な家族〟の住む田舎の家で、おもてなしを受けた家族が味わう悪夢…。サンダンス映画祭で「血も凍る恐怖」と評されたデンマーク発のホラー・スリラー「胸騒ぎ」が、ハリウッド映画「スピーク・ノー・イーブル 異常な家族」(公開中)としてリメークされた。 アメリカ人の一家が旅先のイタリアで、イギリス人一家と意気投合し、自宅に招かれる。車で向かう山間の長い一本道が不穏な空気を予感させる。 アメリカ人夫婦のベンとルイーズは、ひそかに仕事上の不安を抱え、娘のアグネスはウサギのぬいぐるみがないと落ち着かない。もてなす側のイギリス人夫婦のパトリックとキアラは豪放磊落(らいらく)。舌に障害があってうまく話せない息子のアントも特別扱いせずに大自然の中で、強く鍛えているかに見えた。だが、次第にパトリックの異常さに気づき始める。 アグネスとアントが2人で練習したダンスを親たちの前で披露する。アントは何に緊張しているのか何度やり直してもテンポがずれる。パトリックが怒鳴りちらし、物を投げつけた。「まだ子どもだ」「愛を持って接してあげて」とアメリカ人夫婦が取りなすが…。 終盤になるにつれ、イギリス人夫婦が異常性を発揮、こちらの心臓がバクバクする。パトリックを演じる筋肉マンのジェームズ・マカヴォイが、無駄にテストステロンが強く、迫力満点の怪演だ。ハリウッド版の結末には、やや救いがあった。 (中本裕己)