どうする敬老事業 行事や祝い金、和歌山県田辺市が見直し検討
高齢化が進む中、和歌山県田辺市は、「敬老行事」や「敬老祝い金」の見直しを検討している。財政面での負担が大きいことや、敬老行事を委託している自治会の担い手不足などもあり、これまで通りに事業を実施することが難しくなってきているため。市民アンケートなどを踏まえ、今後の方向性を決めたいという。 【100歳おめでとう 3人が相次ぎ誕生日、和歌山県みなべ町の記事はこちら】 市は例年、自治会などに委託して「敬老行事」を実施している。対象は70歳以上の市民で、昨年度の対象者数は1万8924人。委託料として、1人当たり2千円を市が支出している。 コロナ禍前は敬老会を開催している地域も多かったが、現在は商品券や記念品を配布する方法に切り替えるところも増えている。自治会役員の高齢化や準備の負担などから、見直しを求める意見も寄せられているという。 一方の「敬老祝い金」は、市職員が対象者の自宅などを訪問し、手渡ししている。支給額は喜寿(77歳)が5千円、米寿(88歳)は1万円、白寿(99歳)は2万円、100歳以上は3万円で、昨年度の対象者数は1321人だった。 敬老行事と敬老祝い金の事業費を合わせると、年間約5千万円に上っている。 市民アンケートは、無作為に抽出した18~99歳の市民3800人に送付。10月末まで回答を受け付けている。 質問は、敬老行事や敬老祝い金は必要だと思うか▽継続する場合はどのように実施すればよいと思うか▽見直す場合、別の事業を実施するとすればどんな内容がいいか―などの項目がある。 市やすらぎ対策課の担当者は「今後の敬老事業のよりよい在り方について、ぜひご意見を聞かせてほしい」と話している。 市の「人口ビジョン」によると、総人口に占める高齢者の割合は2050年に45%に達すると推測されている。
紀伊民報