広報の外部委託に7割が満足 成功のカギはコミュニケーション
広報は、企業の業務やイメージを広く伝えるうえで非常に重要な業務だが、専門知識や特別なセンスが求められるものだけに社内で完結させるのは難しい。そこで専門業者に委託することになる。はたして、広報の業務委託は正解なのか。 ブランドコンサルティングやコンテンツマーケティングなどを展開するPRIZMA(プリズマ)は、企業で広報業務委託を活用したことがある広報担当者503人を対象に「広報の業務委託活用実態に関する調査」を実施した。それによると、委託先の対応に満足との答えが7割を超えたが、同時に課題も多く聞かれた。 委託した広報業務の内容は、プレスリリースの作成と配信、イベントの企画と運営がともに4割を超え、メディアキャラバンの実施、広報資料の作成が約3割などとなっている(複数回答)。 外部委託する理由は、メディアリレーションの強化といった積極的な理由も多いが、やはり社内リソースの不足、広報のノウハウがない、業務量が多くて対応できないという切実な問題が目立つ。 委託先の対応には約7割が満足していると答え、今後は現状維持、さらに増やす、が合わせて8割を超えているのだが、肝心な成果物のクオリティーなどには厳しい意見が多く聞かれる。業務委託で直面した問題として、もっとも多かったのが、委託内容の調整に工数がかかりすぎるというものだ。またコミュニケーション不足によるミスや誤解もあげられている。会社の意見が反映されない、クオリティーが期待に達していないという課題もそれぞれ2割近くある。 もうひとつ注意すべきは、会社の資産としてナレッジが蓄積されないという問題だ。丸投げのままで広報に関する知識を学ぶことがなければ、いつまでも広報の素人のままで専門業者と話が合わず、的確な発注ができないということになる。調査では、委託先と良好な関係を築くために行っている工夫についても聞いている。上位3つは、成果物のフィードバック、積極的なコミュニケーション、定期的な打ちあわせだ。丸投げではなく、綿密に連絡を取り合うことでミスが防げるばかりか、発注側の広報業務について学べる機会が増える。 そのあたりを「しっかり担ってくれるパートナーが重要」だとPRIZMAは話している。まずは委託先を吟味し、その後はパートナーとしてともに業務を進める関係を築くことが肝要だと、この調査は示している。
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