【巨人】わずか2試合で登録抹消の悲哀…秋広優人が来季迎える「正念場」
ロマン砲の本格覚醒はいつになるのか。 巨人はCSファイナルS第4戦(東京ドーム)をDeNAに4ー1と勝利。王手をかけられた試合でCS初勝利を飾り、アドバンテージを含め2勝3敗とした。 【動画】話題を集めた秋広の守備シーン ソトの打球を捕球しきれず3点を失った 先発左腕・井上温大は負けられない戦いの中で粘り強く投げ、5回まで無安打とパーフェクト投球。6回一死から相手捕手の戸柱恭孝に3球目のストレートを右翼スタンドに運ばれたが、試合を作った。 試合が大きく動いたのは7回だ。1死から坂本勇人がこの試合2本目のヒットとなる左前打で出塁。続く中山礼都が右前打で続く中、坂本は足を飛ばして三塁へ気迫のヘッドスライディング。 ベテランが見せた懸命のプレーにベンチも沸く。なおも1死一、三塁の場面。打席に入った岸田行倫が初球にセーフティースクイズをすると、坂本が本塁へ再びヘッドスライディングを敢行(記録は犠打野選)。巨人が勝ち越した。 その後もダブルスチール、相手のミスにも付け込み、この回は3点を加え、勝利を手繰り寄せるイニングとなった。 負ければ終わりの大一番でチームも様々な策を打ってきた。シリーズ欠場している吉川尚輝をこの日は登録。シーズン終盤に内角球をよけた勢いでろっ骨付近を痛めたとされる吉川は骨折していたことが判明。試合に出場することはなかったがベンチから食い入るように戦況を見守るシーンが中継画面に映し出された。 試合前の円陣声出しのためには左手甲骨折で離脱中の萩尾匡也がジャイアンツ球場から駆けつけた。シーズン中は爆発力のある打撃でファンを沸かせた若武者は拡声器を用いて、明るい声出しでナインを鼓舞。出場選手登録こそされなかったが、まさにシーズンを支えたメンバーの思いも乗せての価値ある1勝となった。 一方、戦いの場に残れなかったナインもいる。19日、チームは計7選手を入れ替えた。 登録されたのは西舘勇陽、井上温大、吉川尚輝、エリエ・ヘルナンデスの4人。抹消されたのは泉圭輔、ココ・モンテス、秋広優人。 ヘルナンデスは交流戦から合流。クリーンアップも務めた勝負強さで4季ぶりV奪回の立役者の一人となった。8月の試合で守備中に左手首を骨折。シーズン終盤のケガで戦列を離れていたが、負けたら終わりの大一番で急きょ、フェニックスリーグが行われている宮崎から呼び戻された。 この試合では「5番・中堅」で先発。ヒットこそ出なかったが、力強いスイング、好守でチームを盛り立てた。 一方でひっそりとチームを去ったのは秋広だ。17日に登録され、2試合に代打出場するも、いずれも三振に終わった。 18日の第3戦では1点を追う7回二死無走者の場面で代打出場、山崎康晃に対し、追い込まれると最後はスプリットで見逃し三振と寂しい結果となった。 ファイナルSでは序盤からチームが貧打で苦しむ中、チームを救う起爆剤としての役割が期待されるも、ここでも存在感を示すことはできなかった。 昨年10本塁打をマークし、さらなる飛躍が期待されていたロマン砲も今季は苦しんだ。開幕1軍を逃がし、シーズン中も目立ったアピールはできなかった。 昨年は121試合に出場、打率「.273」、10本塁打、41打点をマーク、一時はクリーンアップを務めるも今季は26試合に出場、打率「.261」、0本塁打、1打点と成績を落としている。 一方、し烈な外野手争いの中、チームではプロ2年目、浅野翔吾、萩尾匡也といったドラフト1位、2位組が存在感を示し始めている。助っ人のヘルナンデスやベテランの丸佳浩も元気な姿を見せているとあって、将来の主軸にと期待され、松井秀喜氏も着けた背番号「55」を託された秋広にしても安穏とはしていられない。 恵まれた体格からなるスケールの大きい打撃は、人々を熱狂させる。悔しい結果を糧にとにかく前に進んでいくしかなさそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]