内田有紀「自分でも表現の幅が全然ないということを感じていた」CHANGEのきっかけになった恩人との出会い
医療ドラマの金字塔「ドクターX」が満を持して映画化され、12月6日から公開する。ドラマ誕生から12年、劇場版をもってついに完結を迎える本作で、主人公の大門未知子とは軽口を叩き合いつつも深い信頼で結ばれているフリーランスの麻酔科医・城之内博美を演じているのは、俳優・内田有紀。長年出演してきた作品への思いや、自身にとっての変化「THE CHANGE」、さらには「戦友」と呼べる米倉涼子との関係などを聞いた。【第3回/全4回】 ■【画像】不変の美貌、内田有紀さんの最新作ショット■ 1992年放送のドラマ『その時、ハートは盗まれた』で役者デビューし、今年で32年を迎える内田有紀さん。これまでに自身にとって「ターニングポイントになったな」と思う作品や役、“CHANGE”となったできごとは何だったのだろうか? 内田さんは「2012年が私にとって転機になった年です。この年にドラマ『最後から二番目の恋』と『ドクターX』がスタートして、この二作で役者として変わることができました」と、即答。 『最後から二番目の恋』は、2012年1月~3月に放送された小泉今日子主演のドラマ。内田さんは同作で、恋愛経験ゼロで人見知りの女性、長倉万里子を演じた。 「『最後から二番目の恋』の顔合わせやリハーサルがあった時に、宮本理江子監督から“もう少し他の表現はありませんか”とご相談をいただきました。そのとき私は何も返すことができなくて、自分でも表現の幅が全然ないということを感じていました。 そのときから芝居のことを自分の生活に深く取り入れて、もっと自分から提案できるようになろうと決心しました。 役者として自分が本当に変わらなくてはいけない時でしたから、宮本監督との出会いには感謝で一杯です。そういう出会いがあった後の『ドクターX』だったので、今振り返ると2012年が自分にとってCHANGEになった時期ですね」
2012年には『ドクターX』シーズン1が始まった
――「もっと何かないか」と言われるということは、自分にもっと何かを求めてくれているとも受け取れるので、自分が成長できるきっかけになりますよね。 「そうですね。私も“もっとできると思って求めてもらえているんだ”と思えたので、それに対して力を出し切れない自分に、すごく不甲斐なさを感じました。やっぱり人は人との出会いで変わりますから、私も恩人と呼べる方に出会えたことは、本当に運がよかったなと思います」 ――ご自身の中で意識や心構えや意識が変わった後、さらに変化を実感されたことはありましたか? 「その年から『ドクターX』のシーズンが続いたのですが、撮影が始まる前にプロデューサーの内山さんから“どういった役柄を演じたいですか?”と聞かれたことがあったんです。その時に私から“プロとして仕事はすごく真面目にやるけど、ほかの対応はぶっきらぼうで、どちらかというとあまり人と調和しない役柄はいかがでしょうか?“とお伝えしました。それを汲んで博美という役に投影していただき、中園ミホさんに脚本を書いていただけたことも、変化を感じた出来事でした。