南米から2年ぶりに帰国後びっくりした3つのこと/世界中の人が旅したい「日本」のすごさって?
健康診断のレントゲン撮影の際に技師さんがサンドイッチを食べながら笑顔で出迎え、食事をしながら撮影を進める。子どもが診察を受けた際、よく見えないからスマートフォンのライトで患部を照らせと言われ私が照明係(?)をしたなど、日本では考えられないことがたくさんありました。 日本は全てが正確で管理も行き届いているため予定が立てやすいし、品質が良いため故障や不具合も少ないし、何よりやっぱり安全。日本にいるとメディアなどで日本の現状に対して否定的な意見を聞くことが多く、もちろん課題もたくさんあるとは思いますが、すごく暮らしやすい国だなと改めて実感しています。
海外で感じた、「ゆとり」の良さ
ただブラジルとアルゼンチンで過ごした2年間の毎日が辛く苦しいものだったかというと、そんなことはありません。明るくフレンドリーな国民性で子どもに優しく、みんなおしゃべりが大好き!日々の暮らしの中で目の前の人とコミュニケーションを取る時間を大切にしていると感じ、外国人の私でも街に仲良しの店員さんがたくさんできました。 また知り合いでなくても目が合うと微笑んだり気軽に挨拶してくれたりするところや、街で困っていると声をかけてくれる人が多いことにも助けられてきました。
【写真】わざわざレジの横に椅子を持って行き、おしゃべりを楽しむお兄さん
【写真】ブエノスアイレスの人気老舗カフェ。名物のチーズケーキを切り分ける様子を毎回見せてもらいました
【写真】その老舗カフェにはバーのようなカウンターがあり、いつも渋いおじ様たちがズラリと並び甘いものとカフェを楽しみながらおしゃべりする様子を眺めるのも好きでした
久々に日本へ帰ってきて街を歩いていると、繁華街の賑やかさなどはあるものの街もお店も電車内も静かだし、急ぎ足で歩く人たちはみんな忙しそうだなと感じます。私も帰国してからまた歩く速度が速くなりました(笑) 南米と日本では国民性や文化も全く違い、向こうは貧富の差や治安悪化などさらに深刻な問題も抱えています。単純に比較できるような話ではないですが、街なかの人に笑顔が多く楽しそうに見え、適当さと裏表ではあるものの寛容さや「ゆとり」を感じたことは今でも心に残っています。 一方、日々の中で改めて触れる日本人の真面目さや勤勉さはやはり素晴らしく、だからこそ海外からも注目される「日本ならではの日常」があるのだと思います。これまでの海外連載でも書かせていただいた通り、地球の反対側で日本があんなに人気だということを目の当たりにして本当にびっくりしました。 この数年で日本はさらに便利なサービスが増えたと感じます。もしそれで少しでも負担が減り「ゆとり」ができたとしたら、日々がんばる忙しい方こそ、自分へのご褒美やリラックスにつながる時間に使ってほしいな、なんて感じる今日この頃です。 ──── 佐々木はる菜 Halna Sasaki ライター 1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。