車いす利用者の“映画館の対応”めぐる投稿が議論に 「SNSで向けられる声は世の中と全く違うもの」過去に批判受けた当事者と考える“会話と手助け”
実際の現場では、どこまで介助できるのだろうか。介護士で「しんみケアーセンター」の介護タクシードライバーでもある八谷嘉成氏は、「高齢者なら軽い人が多いが、中には100キロぐらいの人もいる。お願いされたときに、できるかどうかの判断は難しく、相談したり、本人の判断を仰いだりする」。介助のプロでも判断に迷う場面があるため、「介助経験のない人にとっては、やはり怖いと思う。助けたい気持ちだけは、互いが伝えられないと、いい気持ちにならない。知識がなくケガしてしまうと危ない」と懸念を示した。 2016年に施行された障害者差別解消法では、障害を理由とする差別の解消を推進して、全国民が共生する社会の実現を目指している。2021年改正では、事業者による障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化され、今年4月に施行される。
法整備が進む一方で、大空氏は「こういう場合、どういう対応をするか。映画館や電車など、事業者が事例を積み上げて、なんなら裁判も起こしていいと思う。4月から1つ前進するととらえていいのでは」と話す。 さしみちゃんは「合理的配慮の義務化に『障害者の言うことを何でも聞かなきゃいけないのか』という誤解があるが、一番大事なのは“対話”。無理なことは理由とともに断るべきだ。車いすを持ってもらう時、“ここを持ってもらえたら安定します”というのは当事者が伝えるべきこと。今回の件も当事者同士の対話が行われていないのが大きかったのではないか」と提言した。(『ABEMA Prime』より)