【全日本大学駅伝選考会】城西大がトップ通過 東農大ルーキーが衝撃の走りで箱根駅伝にも期待
■スーパールーキー前田和摩選手が大活躍。東農大が14年ぶりの伊勢路
また、東京農業大学が5位に入り、14大会ぶりに本大会の切符をつかみとりました。最大の功労者となったのは、1年生にして最終4組を任された前田和摩選手でした。 3組を終了した時点で東京農業大学は12位と出場圏外におり、ボーダーラインの7位とは約47秒の差がありました。同じ組を走った先輩の並木寧音選手(4年)から「自分たちが力を出したら(本大会に)いける。頑張ろう」と声をかけられた前田選手は、積極的なレースを見せました。 「思い切った判断ができたことが今日の結果につながったのかなって思います」と振り返るように、他校のエース格の選手でも自重するなか、東京国際大学のアモス・ベット選手(1年)ら留学生のハイペースに、思い切って付いていく判断をしました。そして、じわりじわりと他の日本選手が先頭集団からこぼれ落ちるなか、前田選手は最後まで食らい付きました。 「後悔するぐらいだったら、潰れてもいいので、思い切って前に出て勝負しようと思いました」 留学生が相手でも一歩も引かないどころか、ラスト1周では先頭を奪う見せ場も作ります。前田選手が仕掛けると、スタンドからは大きなどよめきも起こりました。 結局、最後は競り負けて3着に終わりましたが、堂々の日本選手トップ。自身の目標タイム(28分40秒切り)を大きく上回り、初めての10000mのレースでU 20日本歴代2位となる28分03秒51の好記録をマークしました。 5月の関東インカレでも2部5000mで4位に入るなど、すでにエースの風格が漂っていましたが、この大会でもスーパールーキーの存在感は際立っていました。 東京農業大学は、箱根駅伝出場69回を誇る名門ですが、2014年の第90回大会を最後に本大会出場が途絶えています。今季は、前田選手だけでなく、並木選手、高槻芳照選手(4年)と好選手が揃います。伊勢路に続き、10年ぶりに箱根路に返り咲くための好機を迎えています。