レンジローバーのPHEVがかなり安くなってる! 理由は?
■ガソリン車とPHEVが同じ値段! どっちを選ぶ? 日本でPHEVの価格を下げて台数を多く売るということは、英国本社にしてみると、生産したクルマの日本への割り当てを増やさなければならなくなるということでもある。ほかの国に割り当てればもっと高い利益でクルマが売れるかもしれないのに、それでも日本向けの台数を増やしてくれるのはナゼなのか。考えてみると納得がいかない。納得がいかないのだが、生野さんからは「確かに、業界を見渡してもレアなケースだと思います。本社側の『心の優しさ』としか言いようがないんです(笑)」との回答が得られたのみだった。 上のスライドをよく見ると、PHEVの値下げにより、ヴェラールとイヴォークでは、ガソリンエンジン車とPHEVが同じ価格になるという特異な事態が生じている。「同じ値段ならPHEVを買おう」というユーザーが増えるのか、それとも、「電動化には抵抗がある」ということでガソリンエンジン車を選ぶ人が多いままなのか。このあたりは「1年かけて検証してみたい」というのが生野さんの考えだ。もしPHEVの販売が大幅に増えるということになれば、ガソリンエンジン車の導入をやめて、ディーゼルとPHEVにラインアップを集約するという話になるかもしれない。 ジャガー・ランドローバー・ジャパンのPHEVモデルは、これまでのところ、そこまでたくさん売れていたわけではなかったという。同社のクルマの購入者でPHEVを選ぶのは、全体の5~10%程度だったらしい。ただ、同社はPHEVを「2024年の柱」とする方針を掲げ、実際に戦略的な価格設定に踏み切っているわけなので、PHEVの販売割合は間違いなく増えるはずだ。
藤田真吾