ユネスコ無形文化遺産に登録された泡盛 熟成技法「仕次ぎ」と味わいを高める「酒器」でさらに魅力的に
泡盛の味わいを高める酒器
泡盛、特にクースの魅力を堪能できる店、「カラカラとちぶぐゎ~」。店を営む長嶺哲成さん、陽子さんは夫婦そろって泡盛マイスターの資格を持っている。 長嶺陽子さんは無形文化遺産登録について、「本当にすごく良いニュース。泡盛は意外と沖縄に住んでいる人たちほどまだまだ味わっていなくて、良さをもっと知ってほしいので、キッカケになればいいな」と話す。 ロックや水割りなど泡盛の楽しみ方は様々だが、今回は熟成されたクースの魅力を教えてもらった。 長嶺哲成さんは、「クースの最大の特徴はアルコールに溶けている香りが空気に触れてどんどん甘い香りが出てくる」と説明する。 甘い香りを引き出すために用いるのが、店の名前にもなっている泡盛専用の酒器『カラカラとちぶぐゎー』 長嶺哲成さん: カラカラに入れる時に口いっぱいまで入れると空気に触れる面積が少ないので、真ん中ぐらいまで、液体の表面積が一番広がるところまで入れてしばらく置いて、ちぶぐゎーでまた開かせる 甕から注いだばかりのクースと、30分かけて香りを開かせたクースを飲み比べてみると。その違いに驚く。 沖縄テレビ稲嶺羊輔アナウンサー: 注いだばかりのクースは飲みやすいが、ちょっとアルコールのピリッという感じはする 30分置いたものは口当たりからまず違いますね、まろやかだし甘みも香りも立ちますね 長嶺さんによると、クースは種類によってその味わいや香りがメープルシロップやビターチョコレート、洋ナシ、ドライフルーツなど様々なものにたとえられるという。
島の屋根ひとつひとつに100年古酒
長嶺陽子さん: 本当に泡盛は奥が深くて幅も広いんですね。ハイボールとかがお好きな方にはこういう飲み方も 出来るんですよってお勧めも出来ますし、古酒はまた違う飲み方があって、違う楽しみ方が出来るということを是非知っていただきたい 長嶺哲成さん: 地球儀で見たら針で点を打つようなものじゃないですか沖縄って。この小さな島の屋根の一つひとつに100年古酒、50年古酒が眠っているっていうことをいつか宣伝できるようにしていけば、もっともっとアピール度が高くなるし、この島を平和に守っていかないといけないという意識を 世界に植えつけられるんじゃないかなと思います 沖縄戦によって一度は途絶えかけたものの、戦後残ったわずかな黒麹菌と先人たちが受け継いできた伝統的な技法によって復興を遂げ、沖縄が世界に誇る存在となった泡盛。 その豊かな味わいと奥深さは沖縄から全国、そして世界へと広がっていく。 (沖縄テレビ)
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