横浜駅弁・崎陽軒は、なぜ、駅の外にもお店が多いのか?
●様々なオファーを受けて、進むコラボレーション!
―いま、崎陽軒といえば、横浜を中心に首都圏を中心とした店舗展開をされていますが、以前は遠隔地にもお店を構えていたことがあったそうですね。 野並:20年ほど前までは大阪・梅田の阪急さんなどで、弊社のシウマイを中心とした製品を日常的に販売させていただいていたこともありました。また、量販店で真空パックシウマイなどを全国販売したこともありました。そのなかで、製品管理が若干疎かになってしまうといった懸念もあり、全国展開は控えていくことになりました。今は百貨店の催事や通信販売で購入できる冷凍駅弁など、弊社からお客様へ近づいていく取り組みは進めています。 ―一方、令和3(2021)年には姫路駅弁・まねき食品と「関西シウマイ弁当」を開発したり、この春は、福井県とコラボした駅弁や北陸の駅弁5社と「北陸シウマイ」を使った駅弁を開発されるなど、様々なコラボレーションを進めている背景には何がありますか? 野並:いずれも弊社にオファーをいただきましたので、シンプルに「コラボしたら面白いな」だけでなく、「横浜から地域を盛り上げたい」という観点で進めています。我々は「お客様が望まれているか」「崎陽軒という会社なら、こういうことをチャレンジすべきではないか」というスタンスで取り組んでいます。もちろん、形にならなかったものもあります。でも、新たな取り組みをすれば、それだけ新たな発見もありますし、弊社のまだ至らないところ、苦手な分野を学ぶことにも繋がっています。
●台湾にも進出している崎陽軒!
―崎陽軒は台湾にも出店されていますが、日本の店舗との共通点、違いはありますか? 野並:台湾の食習慣に合わせて、ご飯とシウマイは、(お客様がお求めになる)その場で詰めて温かい状態でご提供しています。日本の「崎陽軒」という会社が行くのであれば、「駅弁」という日本文化が、少しずつ少しずつ伝わっていけばいいのかなと。そこから台湾の皆さんが、横浜に遊びに来ようかなと思っていただけたら嬉しいですね。日本と台湾の交流人口・関係人口が増えていくことに繋がるといいと思っています。 ―ほかに海外展開は考えていますか? 野並:食文化を含めて文化は長い時間をかけて出来上がっているものです。崎陽軒単体で出来ることは限られています。ただ、いま分かっていることは、日本はこれから人口が少なくなっていくことです。食の商売をさせてもらっている我々からすると、人口が減ることでお客様の数が減るということが明確に分かっています。新たな市場開拓はやっていかないといけません。そのタイミングが来たらということでしょうか。