姫路・坊勢島のブランド魚「ぼうぜ鯖」、旬を迎える
姫路市家島町の坊勢島で養殖されるブランド魚「ぼうぜ鯖(さば)」が旬を迎えている。(姫路経済新聞) 【写真】坊勢島近海で養殖されるブランド魚「ぼうぜ鯖」 「ぼうぜ鯖」は、脂が乗る11月から2月ごろが旬とされている。これまでは10月中に流通することもあったが、味や品質の安定を図るため、坊勢漁業協同組合と姫路観光コンベンションビューローが連携し、品質安定化に取り組んできた。今年は初めて解禁日を設け、市場への出荷管理体制を強化し、11月1日から提供が始まった。 坊勢島では2001(平成13)年にサバの養殖が本格化した。播磨灘で春に採捕した子サバを巨大な海上いけすで育てる方式で、一部のいけすでは1万5000匹規模の飼育が行われているという。餌には、島の近海で漁獲されたカタクチイワシなどを使う。アニサキス対策として冷凍された餌のみを与えることで、寄生虫のリスクを抑え、安全性の高い養殖サバを提供している。 坊勢島は姫路港から定期船で約30分の距離にある小さな島で、人口約2000人のうち7割が漁業に従事している。漁船数は800隻以上と、漁業が島の基幹産業となっている。サバの養殖は、アジの畜養中に紛れ込んだサバの味が予想以上に良かったことから始まり、研究を重ね、2022年には商標登録にこぎ着けた。 11月30日には「ぼうぜ鯖」のブランド化を推進することを目的に「ぼうぜ鯖祭り」が開催され、坊勢島特産品の販売やさばき方の実演が行われた。 坊勢島の天晴水産直営の居酒屋「天晴水産 きりん」店主の森一成さんは「ぼうぜ鯖は脂の乗りが良く、弾力と甘みが特徴。刺し身やしゃぶしゃぶなど、シンプルな調理法で味わってほしい」と話す。同店では刺し身を「10切れ」(1,680円)で提供している。
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