ロシアの『ウラルカリ』社、ハースF1からの返済が裁定通りに行われていないと主張。マシンの引き渡しに関する返答もなし
ハースF1チームと元スポンサーの『ウラルカリ』社との間の法的紛争は、もう少し長引くことになりそうだ。ウラルカリ社は、ハースが2022年シーズンに受け取ったお金の一部を、スイスの仲裁裁判所が決定したとおり返済していないと非難する声明を発表したのだ。 【写真】2021年F1第7戦フランスGP ニキータ・マゼピン(ハース)&ドミトリー・マゼピン 2022年2月末にロシアがウクライナに侵攻したあと、ウラルカリ社と、そのオーナーでニキータ・マゼピンの父親であるドミトリー・マゼピンは、イギリスとヨーロッパ当局の両方からブラックリストに載せられた。ハースはアメリカ政府の命令に従うために、スポンサーであるウラルカリ社とニキータ・マゼピンの両方との契約をすぐに破棄した。 2年間にわたり、ウラルカリ社はお金を取り戻そうとして、ハースが二者間の契約に違反したと主張してきたが、ハースもチームのイメージに生じた損害についてウラルカリ社に賠償を求めていた。 法的手続きは約2年間続いたが、紛争解決機関として二者が問題を持ち込んだスイスの仲裁裁判所は、双方が補償を受ける権利があるが、両者のバランスについては明らかにウラルカリ社が有利だと判断した。金額は公表されていないが、ハースは30日以内にロシア企業に約1000万ドル(約15億6200万円)を支払うよう言い渡されたと考えられている。 そしてウラルカリ社は、返済がまったく行われていないこと、また、裁定の一部にあるように、過去2シーズンにニキータ・マゼピンがドライブしたマシンのウラルカリ社への引き渡しもなされていないことを主張する声明を発表した。 同社の声明は、「残念ながらお金(および利息と費用)は支払われておらず、レースカーも決められた期限までに届けられていない」と述べている。 「ウラルカリは7月上旬にハースに送った書簡で、レースカーの引き渡しについてオプションを提案したが、返答はなかった。授与した金額に対するさらなる利息は引き続き発生している」 また同社の代理人は、ハースが仲裁裁判所によって決められた金額を支払っていないことは、「『スポーツマンシップに反する行為』という表現に新たな意味を付与している」とし主張している。 「ウラルカリは、判決が実施されるのを見るために、法律で定められたあらゆる手段を取る」 「どのような処遇が待ち受けている可能性があるか、現在および将来見込みのあるすべてのハースのスポンサーに意識していただこう」 [オートスポーツweb 2024年07月18日]