「もういらないから、みたいなことは言ったことがあります」 九州産業大・主将が貫いた日本一への覚悟<準硬式・全国大会>
練習から妥協を許さない城戸主将。だからこそ、試合では「お祭り気分でやろう」とのびのびとやるようにチームを鼓舞する。その結果、「自分たちでも驚く試合展開ができた」と、戦っていく中で力を付けていき、決勝戦までたどり着いた。 迎えた決勝戦、第3打席までは快音が響いていなかったが、9回に回ってきた第4打席は「どんな球でも『ストライクだったら振ろう』という気持ちでした。気持ちで負けたらいけないと思ったので、そこは迷わずスイングをかけてきました」という積極性で、初球からスイング。4球目をセンターへ運び、後続の同級生に託した。 その後、3塁までたどり着くも、あと一歩届かず。準優勝に終わった城戸主将。選手として継続するのはここまでで、野球人生最後の試合となった。 「東福岡ではレギュラーでしたけど、大学で継続する不安や勉強との両立、その上で出来る限りレベルの高いところを考えて、準硬式の道を選びました。 結果的に野球に没頭してしまいましたけど、そこに悔いはありません。本当に刺激的で、楽しい野球人生でした」 そんな城戸主将にとって準硬式とは何だったのか。 「高校野球とは全く違い、選手主体のチームになるので、何をするにも選手が決めるチームばかりです。そこに楽しみがありますし、試合になればこういうしびれるような戦いができるところです。大学準硬式野球に感謝しかありません」 そう話す城戸主将の表情は、どこかスッキリしているようにも見えた。準硬式での4年間に充実感、そして感謝の思いを胸に、社会人という新たなステージでも活躍して欲しい。