「ノスタルジア―記憶のなかの景色」「懐かしさの系譜─大正から現代まで 東京都コレクションより」(東京都美術館)開幕レポート。なぜ美術は懐かしさを求めるのか
東京・上野の東京都美術館 で、上野アーティストプロジェクト2024「ノスタルジア―記憶のなかの景色」が開幕した。会期は2025年1月8日まで。担当学芸員は同館の元学芸課長の山村仁志。さらに本展の関連展覧会としてコレクション展「懐かしさの系譜─大正から現代まで 東京都コレクションより」も開幕。ふたつの展覧会の様子をレポートする。 「ノスタルジア―記憶のなかの景色」は、日常の街の風景を描く阿部達也、南澤愛美、芝康弘、宮いつき、入江一子、玉虫良次、近藤オリガ、久野和洋といった、公募団体展で活躍する日本画、油彩画、版画など様々な手法の作家による、「ノスタルジア」を感じる作品を紹介する展覧会だ。 担当の山村は本展の意図について次のように語った。「ノスタルジアは複合的な感情であり、喜びから痛みまで、人によって様々な知覚が喚起されるものだ。それぞれの考えるノスタルジアに響いてくれる、多様な作品を展示した」。
文・撮影=安原真広(ウェブ版「美術手帖」副編集長)