【競馬予想】阪神JFの勝ち馬も見えてくる「2歳牝馬ランキング」
近年の阪神JFは、関東圏のレースを主戦場としてきた馬が優勢で、2014年以降の3着以内馬30頭中27頭は、東京か中山のレースで『着順が3着以内、かつ4コーナー通過順が2番手以下』となった経験のある馬でした。該当馬は3着内率も40.3%と優秀ですし、アルテミスSでこの条件をクリアしたブラウンラチェットは、いかにもこのレースが合っていそうなタイプと言えます」 土屋真光氏(フリーライター)「今年のアルテミスSの勝ちタイムは1分33秒8。これは、ラヴェルが勝ってリバティアイランドが2着になった一昨年と同じ。これよりも速いタイムとなると、チェルヴィニアが勝った昨年(1分33秒6)と、シェーングランツが勝った2018年(1分33秒7)のみ。タイム的にはレベルの高い結果と言えます。 レースラップは前半3ハロンが昨年より速く、後半3ハロンが昨年と同じ。中間の2ハロンが昨年より遅く、前受けがラクになった分、先手を奪ったミストレス(牝2歳/父キズナ)が2着に残る展開となりました。それをあっさりかわしたブラウンラチェットからは、着差以上の強さを感じます。超大物かどうか、阪神JFが試金石となりそうです」 2位以下はランキング選出者の評価が大きく割れて、各順位1ポイント差の接戦となった。そのなかで2位になったのは、新種牡馬アドマイヤマーズ産駒のジャルディニエ(牝2歳)。ほかにも父の初年度産駒が次々に勝ち上がっているなか、いち早く2勝目を挙げたのが同馬だ。 伊吹氏「11月24日終了時点の本賞金は1910万円で、JRAに所属する現2歳世代の牝馬としては16位タイ。実績上位とは言えないものの、1勝クラスのアスター賞(9月7日/中山・芝1600m)を快勝。母のヘアキティーは現役時代に米GIのラブレアS(ダート1400m)を制した馬で、現4歳の半姉ハイランドリンクスはJRAで2勝をマークしています。 11月24日終了時点におけるJRAの2歳戦を対象とした種牡馬別勝利数を見ると、本馬の父である新種牡馬アドマイヤマーズは18勝で単独6位。デビューした40頭のうち16頭が優勝を果たしていて、勝ち馬率は40%となります。これは前出のランキング上位勢、キズナ(32%)、サートゥルナーリア(34%)、エピファネイア(27%)らを上回る高水準なんですよね。アドマイヤマーズの今後を占う意味でも、代表産駒である本馬には、引き続き注目しておいたほうがいいいかもしれません」 本誌競馬班「新馬戦(2着。6月8日/京都・芝1600m)こそ取りこぼしましたが、未勝利戦(7月6日/小倉・芝1800m)を完勝。1勝クラスのアスター賞も鮮やかな差しきり勝ちを決め、阪神JFでどこまでやれるか、楽しみです」 3位には、コートアリシアン(牝2歳/父サートゥルナーリア)が入った。牡馬相手のGIII新潟2歳S(8月25日/新潟・芝1600m)で2着と好走。以降、休養に入って、満を持して阪神JFに挑む。 木南氏「東京の新馬戦(6月8日/東京・芝1600m)、新潟2歳Sと、鋭く追い込んできて末脚の破壊力は確か。近親に2012年のGI安田記念(東京・芝1600m)を制したストロングリターンがいる血統。母コートシャルマンも2戦2勝で阪神JFに参戦。母は10着に敗れましたが、同馬が母の雪辱を晴らすのか、楽しみです」