思い出すのは伝説の雨のセナ…「ガレージを破壊したい」窮地のフェルスタッペンを救ったサンパウロの雨と別次元の超絶ドライビング
セナを彷彿させる脅威のオーバーテイクショー
17番手からスタートしたフェルスタッペンは、1コーナーまでに3台を抜くと、2コーナーから3コーナーにかけての左コーナーで敢えてレコードラインを外してアウト側を走行。ここで3台を豪快にオーバーテイク。これを見ていたレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表の脳裏にあの伝説のオープニングラップが蘇ったという。 「マックスのあのオープニングラップは、93年のドニントンを彷彿させるものだった。1周目に6台を抜いたと思う。あれで、流れを大きく引き寄せられたと思う」 レースはその後も雨によって、コースアウトやクラッシュするドライバーが続出する波乱の展開となったが、フェルスタッペンによるオーバーテイクショーは続いた。その走りは6位に終わったノリスが「もし彼が前方からスタートしていたら、おそらく僕たちを周回遅れにしていたと思う」と言うほど速く、この日のレースでフェルスタッペンに抜かれて2位に終わったオコンもこう評したほどだった。 「優勝争いをしていて1コーナーでインを差されたときは、まったく太刀打ちできなかった。だから、レース後に彼に尋ねたんだ。『どうしてあんなに遅くブレーキングしているのに、フロントタイヤをロックさせることなく、抜くことができたのか』って。僕も含めて多くのドライバーが雨の中でフロントをロックさせていたと思う。でも、マックスだけ違っていた。まさに別次元だった」 大逆転で6月のスペインGP以来、11戦ぶりの勝利を飾ったフェルスタッペン。F1で17番手以下からスタートしたドライバーが優勝したのは、05年の日本GPでのキミ・ライコネン以来、19年ぶりのことだった。 セナが眠るサンパウロで、雨のマックスが4度目の王座を大きく手繰り寄せた。
(「F1ピットストップ」尾張正博 = 文)
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