〈二郎系ラーメン“大人は1人1杯”トラブル〉カップルで来店した男がブチギレ!小銭を投げつけ「また来てやるよ!」と捨て台詞…店主は「もう来なくて大丈夫です」
「また来てやるよ!」と捨て台詞
店員が表に出ると、店前のベンチに男性客はおらず、女性客のみがいたという。女性客は「あっちに行っちゃったんで追いかけてもらえますか」と言い、店員が駐車場の方に行くと、男性の姿はなかった。 「するとクラクションを鳴らしながら『ここだよ!』と車の中から男性客が呼んできました。そこでお札と小銭を渡し返金すると、5~10分ほど『いい加減にしろや』だの『(女性客が)水飲むだけでもいいじゃねえか』だのわけのわからないことも含めて叫んでいたようです。 その口調は呂律が回っておらず、様子もおかしかったと報告を受けています」 そのまま男性客は「また来てやるよ!」と叫んで車で走り去ったという。店主によれば、その男性客は数年前から何度か店に来ている客だったようだが、店主は注意喚起の思いを込めてXに冒頭の投稿をしたという。 「当店では旨くて安くて腹一杯をモットーに、麺の量をミニサイズが200g、小サイズが300g、券売機では売ってませんがプラス100円で800gまで増やせます。 こういうサービスにすると、食べられるお客様が食べられる分を1人で食べるのはいいのですが、シェアしようとするお客さんが増えるんですね。でも開業13年でそのあたりの理解あるお客様が増えて下さったので、小学6年生のお客様にはラーメンを無料にするなどのサービスを始めたのです」
店内BGMが尾崎豊の理由
子供の1杯を無料にするのはなぜか。そこには店主の思いがあった。 「子供は宝ですからね。子供を持つご家庭の家計の大変さも自分が子供を持つようになってわかったし、お子さんを持つ家庭には多少、回転が悪くなってもいいと考えるようになったからです。 とはいえ、コロナ以降の食材高騰により豚肉もキャベツも倍以上だし、ニンニクなんて3倍もの値段になっています。正直厳しいです。でもそれでもなんとかやっていきたいとギリギリの値段設定でやっています」 店主は今回のトラブルについて「決して怒ってるわけじゃないし、むしろその場にいたお客様に不快な思いをさせたことは申し訳ないと思っている」としながらもこう述べた。 「僕らは旨くて安くて腹一杯の店を目指して真摯に毎日営業してるんです。だからお客様にも気分よく過ごしてほしいと思っています。一人一杯ルールは当店からのお願いベースのようなものです。それを理解して下さる方に食べにきてほしい。Xに投稿したのはその注意喚起のようなものでした。物価高騰の中、一生懸命がんばっています」 最後に、どうして尾崎豊の曲のみが延々と流れているかの理由も聞いた。 「僕は43歳で尾崎世代ではないのですが、尾崎の立ち向かう姿勢やその歌にわーっと気分が上がるんです。だから営業時間は尾崎一択。主に『十七歳の地図』と『誕生』を流してます。 一度Xに『尾崎はもう亡くなって新曲も出ないし別の曲でも流そうかな』とつぶやいたら『桐龍といえば尾崎だから』と反対の声が多かったので、今後も尾崎一択でやらせていただきます。好きな歌は『僕が僕であるために』に『シェリー』に……いろいろありすぎます」 記者も「桐龍」のゴン太麺を尾崎の『Forget-me-not』を聴きながら食べた。尾崎の「幸せかい?」の歌声に涙を堪えながら飲み込んだ。 「桐龍といえば尾崎」そんな風に愛される二郎系ラーメン店に、カスハラ客はそぐわない。どうかみなさん、穏便に味わってほしいと心から思う。 取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班
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