家事で忙しい妻に「食洗機買う?」はキケン…共働き夫婦の溝を埋める「チーム家事」という画期的な方法
■必ずしも同じ時間に家事をしなくてもOK 「必ず同じタイミングでやらなければいけないですか?」 これはパラレル家事を考えるときによく聞かれる質問です。 人にはそれぞれの生活リズムがあったり、体調や気分の良し悪しもある。家にいるときくらいは、そんなにきつく自分を律していないで、ゆるやかに家事をしたい。その気持ち、よくわかります。 結論からお伝えすれば、「同時じゃなくても全然OK」です。 大切なのは、家事育児ミッションを一緒にクリアしていくことであり、同時にクリアすることではありません。 たとえば「部屋の掃除をしていないほうが、洗濯をする」というパラレル家事を決めたとします。もちろん同時に行うこともできますが、時間差があっても構いません。お互いが同じように家事に取り組んでいるという公平感は変わらないはずです。 また、「妻が料理をしている間は、休憩時間にしたいのですが、それってやっぱりダメですか?」と聞かれることもあります。これも全然OKです。休憩時間は家事ではないと思うかもしれませんが、これにもうひとつパラレル家事を追加して、こういう組み合わせにすればいいのです。 「料理をしていないほうは、自由時間にする」 「食器洗いしていないほうは、自由時間にする」 これを合わせて「料理をしていない人が、食器洗いをする」とすれば、料理中に相手がのんびりTVを見ていても嫌な気持ちにならずに済むでしょう。 もっともよくないのは「黙って休憩していること」です。「後で食器洗いしようと思ってたんだよ」と言うのはただの言い訳にすぎません。お互いに合意が取れていることで、初めて不公平感を覚えずに済むのです。 ■メインの家事をしている人をサポートするのも効果的 小さなお子さんがいるご家庭だと、家事をしているときにお子さんが邪魔をしてくることもあります。そこでいちいち手が止まってしまうと、終わるものも終わりません。なので「料理をしていないほうが、子どもの相手をする」などは、効果的なパラレル家事です。 このパラレル家事の目的は、料理している人の邪魔をさせないことです。なので、適当に子どもの相手をして「ママー!」と料理している人に向かって行っては意味がありません。これから食卓を並べるのに、ダイニングテーブルを散らかしまくって遊んでいてもダメ。夕飯を気持ちよくみんなで食べるというミッションに向けて、しっかりと子どものお世話をしなくてはならないのです。 ---------- 三木 智有(みき・ともあり) NPO法人tadaima! 代表、家事シェア研究家 「10年後、20年後も『ただいま!』と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指し、NPO法人tadaima! を起業。家事シェアを広めるための講演を年間80本以上、元インテリアコーディネーターの経験を活かした、子育て家庭のモヨウ替えを年間100件以上行う。日本唯一の家事シェア研究家として、2016年内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員に選任。NHK「あさイチ」、関テレ「報道ランナー」、韓国KBSなどメディア出演多数。著書に『家事でモメない部屋づくり』(ディスカヴァー)がある。 ----------
NPO法人tadaima! 代表、家事シェア研究家 三木 智有