SNS大バズリ!奇跡の地方競馬「ラーメン実況」 担当アナが明かす伝説的レース&超話題フレーズ裏話
今年兵庫県尼崎市で開催された園田競馬で、競走馬2頭の馬名の組み合わせが国民的人気を博す食べ物を表し、その実況が話題となりました。 【写真】奇跡の実況生んだ2024年伝説的レース 競り合う「ラー」と「メン」の雄姿 事が起こったのは11月26日の6レース。1着に8歳牡馬の「ラー」、3着に3歳牝馬の「メン」が入りました。 注目を浴びたのは三宅きみひとアナウンサーの場内実況です。「ラーはメンの後ろにいます」「メンとラーが並んでいる」「外から1番のラー、内がメン」といった絶妙な言い回しが「ラーメン」を想起させるとしてSNSを賑わせました。 結果は「ラーメン」の並びにはなりませんでしたが、ゴール後の「メンは伸びきれず3着入線」というコメントもファンを沸かせました。X(旧ツイッター)では「三宅アナの実況に感化されてラーメン食べます」「奇跡のコラボ」「よくそんなフレーズ出てくるなぁ」などとさまざまな反響がありました。 三宅アナに、実況の裏話や馬名「ラー」「メン」の本当の意味などについて詳しく聞きました。 ――ラーとメンが同じレースに出走すると気付いたときは? 【三宅きみひとアナウンサー、以下三宅アナ】 前日の準備段階では全然気付いていなくて。ひとつ前の5レースの実況のタイミングで、6レースの馬体重の画面が出て読み上げるんですけど、そのときに「ラーとメンがいるな」って気付きました。 (実況映像は)ニコニコ生放送とYouTubeで生配信していて、ファンのコメントも常時流れているんですが、そこでも「ラーメンや」って話題になっていて、ファンの方も楽しみにしているレースなんだろうなと思いながら臨んだ感じです。 ――どんな準備をしましたか? 【三宅アナ】 レースはどうなるか分からないし、ラーとメンが全然違うところを走っているのに、無理矢理くっつけてしゃべるのもおかしな話。普通のレースの実況をするのが大前提で、近くにいたり、ゴール前で接戦になったりしたら、“ラーメン”を連想させるようなフレーズを入れようかなと。 普段から心がけているんですけど、準備はしすぎないというか……漠然とは考えているけど「絶対にこれ」みたいなものはなかったです。 ――「ラー」と「メン」の意味は? 【三宅アナ】 ラーは(エジプト神話の)太陽神。メンは「面」でラーメンの「麺」ではありません。本来の「ラーメン」ではないのですが、たまたまおもしろい形になりました。 イントネーションも、ラーメンの「麺」なら「メ\ン」(「メ」が高く「ン」で下がる)ですが、「つら」の方なので「メン ̄」(平板)。間違って「メ\ン」と言ってしまわないように、という意識もありました。 2頭が競り合う形になって、ファンの方も期待しているだろうし、「ラーかメンか」「メンかラーか」という感じの実況をしました。 ――ゴール後の「メンは伸びきれず3着入線」も注目を浴びました。 【三宅アナ】 「メンは伸びきれませんでした」は、フレーズとして考えていたといえば考えていたかな。「メン」で遊べないかと思ったときに、「メンが伸びる」とか「メンが一気に伸びてきた」とするイメージはありました。 ――今後あったらおもしろいなと思う実況は? 【三宅アナ】 園田に「マー」って馬がいて、ラーとメンと一緒に走ったら「マーラーメン」になるって話で盛り上がりました。言葉遊びというか、競馬ってエンターテインメントなので。実況はオフィシャルですから、あまり砕けすぎることはできないものの、真面目に遊ぶというか、ふざけすぎずにちょっと楽しめるような実況をしたいな。 ☆☆☆☆☆ 競馬観戦歴約30年で、1万5000レース以上の実況を経験してきた三宅アナ。レース後には、自身のXで「ここまで必死に笑いを堪えながら実況したの初めてでした」と振り返りました。そのポストは203.6万回表示され、フォロワーも200人ほど増えたそうで、三宅アナは「今までにないくらいバズる状況です」と笑顔でした。 2024年の地方競馬界に大きな話題をもたらした三宅アナは、年末年始も園田競馬の実況を担当するとのこと。「例年たくさんのお客さんが来てくださる時期ですし、場内でイベントもたくさんあります。1年の運試し……じゃないですけど、来て楽しんでいただけたらうれしいです」と呼びかけました。開催は12月29日(日)~31日(火)、2025年1月2日(木)~4日(土)です。 (取材・文=立田ノン)
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