新谷聖司、白柏寿大が語る“まほステ”への想い
2024年11月30日(土) より開幕する舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2。本作にて、中央の魔法使い・リケを演じる新谷聖司と、南の魔法使い・レノックスを演じる白柏寿大に、本作にかける想いを語ってもらった。 【全ての写真】舞台『魔法使いの約束』エチュードシリーズPart2に出演する新谷聖司と白柏寿大 ――今回、舞台化される『神聖なる宝剣のエチュード』、『雨宿りのカエルのエチュード』のストーリーを読んだ率直な感想を教えてください。 白柏 それぞれの登場人物が抱えているものや、ちょっとしたすれ違いといった心理描写がとても綺麗に描かれているので、すごく面白いなと思いましたし、これを舞台でどう表現していこうかと考えて、とても楽しみになりました。ストーリーの中盤までは、どこか不穏な空気が漂っている印象だったのですが、終盤にかけて、いろいろなほつれが綺麗にほどけて温かい気持ちで読み終えることができました。 ――脚本を読んだ印象はいかがでしたか? 白柏 原作の繊細さが脚本にもしっかりと描かれていましたし、その繊細さを一つひとつ大切にしていきたいなと思いました。『雨宿りのカエルのエチュード』は、レノックスがメインとなるストーリーなのですが、まさにレノックスらしさが最大限に出ているなと感じています。深いところまで潜って行ったら沈没船の中に宝箱があった、というような、彼の優しさが深いところにあることがよくわかるストーリーだなと。 ――新谷さんはいかがでしょう? 新谷 『神聖なる宝剣のエチュード』を最初に読んだときは、リケの言葉一つひとつがすごくストレートだなと思いました。僕が初めて読んだときは、まだアプリでもフルボイス化されていない時期だったのもあり、文字だけで見るととてもストレートに思えて、そこまで言っちゃうんだと驚く部分もありました。でも、最初は否定したり自分の思いをぶつけるばかりだったリケが、相手の気持ちに寄り添うということを知って、成長していく姿が描かれています。最初はそんなリケの成長にばかり目が行っていたのですが、脚本を読むうちに、中央の魔法使いたちが少しずつまとまりはじめる様子も見えてきました。賢者の魔法使いとして集うことになった最初の頃の空気感を大切にしていけたらいいなと思っています。 ――お二方とも、2021年11月に上演された舞台『魔法使いの約束』第2章から本シリーズにご出演されていますが、それぞれの役柄を演じるにあたり、大切にしていることはありますか? 新谷 僕は第2章が役者として初舞台だったんです。だから、当時は全てのことが初めてだらけで、教団から外の世界に出てきたリケと同じような心境でした。自分にできることを一生懸命やっていたら、その姿がたまたまリケに重なっていたのかなと思うので、“初心を忘れちゃいけない”というのはずっと大切にしています。 白柏 僕は基本的にどの作品でも出演させてもらうからには爪痕を残したいと思っているタイプなんです。「自分が自分が」という気持ちを持ってやってきたし、役者としてそれは大事なことだと思っているのですが、レノックスは真逆の性質なんですよね。人を立てることができるのがレノックスだから、僕もそこは大切にしています。この人を立てるためには、自分がどのような振る舞いをすればいいんだろうと、自分を抑える考え方をするようになったので、役者としても新しい学びだったと思っています。 ――リケ、レノックスというキャラクターの魅力はどこにあると考えていますか? 白柏 レノックスは、“器が大きい人”ではなくて“器が深い人”だと思っています。彼の優しさはとても深い。だから安心して身を任せられるし、一緒にいると落ち着ける存在なのかなと。心がしんどいときとか、誰にも会いたくないとき、誰にも相談できない悩みを抱えているときでも、隣にいてほしいと思える人。そこがレノックスの魅力だと思います。魔法使いゆえに何百年も生きているからというのもあるとは思いますが、包み込んでくれる心の深さが僕はすごく素敵だと感じています。 新谷 リケは子供らしい可愛さ、何も知らないからこその純粋さが魅力だなと思います。演じる際にも、そこはとても大切にしています。『まほステ』を観劇してくださった方が「リケはアプリで見たときはちょっと生意気な子という印象だったけど、『まほステ』を観てリケの可愛らしさに気づいた」と、言われているのを聞いたときに、すごく嬉しかったんです。僕ももっとリケの魅力を拾って伝えていけたらいいなと思っています。