神鋼商事メタルズ、マグネットワイヤーの販売強化。中国・長城電工材を国内供給
神鋼商事メタルズ(社長・木場豊氏)は、アルミ・銅・特殊鋼に加えてマグネットワイヤー(巻線)の販売を強化する。昨年末に中国の浙江長城電工科技と総代理店契約を締結し、今年度から同社製品の販売を本格化。需給がタイトな民生品分野を中心に、車載部品市場などでの採用を目指す。 マグネットワイヤーは自動車部品やエネルギー関連部材、産業用モーター、家電製品などさまざまな分野で電気エネルギーを磁気エネルギーに変換するために利用されている。銅電線に絶縁のためエナメルを付与したエナメル線などが利用されている。 神鋼商事メタルズは数年前からある中国メーカーのマグネットワイヤーを日本市場で販売していたが、日本市場への参入を検討していた長城電工科技と思惑が合致し、昨年末に日系企業への独占販売権を持つ総代理店契約を締結した。 マグネットワイヤーの日本市場は電線大手が取り扱っているものの、車載部品向けに注力する動きが加速中。その反面、民生品などへの供給量が減少傾向にある。神鋼商事メタルズは非車載部品向けで海外材を手当てしたい顧客ニーズを捉える考えだが、「車載部品向けでも複数購買を検討しているユーザーが出てくる可能性がある。こうした層にも製品提案を進めていきたい」(木場社長)と説明。丸線のほかに車載部品向けで利用される平角線も取り扱う考え。 両者は7月24~26日に東京ビッグサイトで開催された「第42回モータ技術展」に共同で出展し、マグネットワイヤーを日本市場向けに提案した。同展示会では「約300社の企業が同社ブースに立ち寄った」(同)という。神鋼商事メタルズはマグネットワイヤーの取り扱いを2026年度までの中期計画の柱の一つに掲げ、積極的な拡販につなげていく考え。