「サルの魅力を伝えたい」 豊丘在住・井出さん 道の駅で猿回し公演【長野県豊丘村】
12月3日の「世界ニホンザルの日」に合わせ、長野県豊丘村の道の駅「南信州とよおかマルシェ」で、同村在住の猿回し師、井出十夢さん(27)とサルのコモ太(16)による公演が行われた。ボールに乗ったりハードルを跳び越えたりと、高い身体能力で観客を沸かせるとともに、ユーモラスな掛け合いで笑顔を誘った。 長野市出身の井出さんは、茨城県の動物園で飼育員を務めた後、同園の運営事業者変更に伴い退職。飼育を担当していたコモ太を引き取り、2019年秋に猿回し師として独立した。当初は茨城を拠点に活動していたが、競合の多さもあって、需要が見込まれふるさとでもある県内に拠点を移すことを検討。21年12月に飛び込み営業で同道の駅を訪れて公演を行ったことを機に「自然豊かで良いところ。果物もおいしく、コモ太と一緒に暮らす環境としてとても魅力的だった」と移住を決めた。 村に拠点を置き県内外各地で公演を行う中、「観客らからサルの生活や食べ物などについて声を掛けられることがあるものの、公演中に十分な対応ができないことが課題だった」と井出さん。「子どもたちをはじめ多くの人に、サルについて知ってもらう機会をつくりたい」と、今回初めてニホンサルの日に合わせたイベントを企画した。公演に加え、パネル展示やエサ当て・体重当てクイズ、ぬいぐるみくじなどのブースを設け、サルの魅力を発信した。 飯田市から訪れ乳児と一緒に公演を鑑賞した女性(38)は「子どもがじっと見つめていて楽しそうだった。良い刺激になったと思う」と笑顔。井出さんは「害獣というマイナスのイメージを持つ人もいるかと思うが、かわいらしさやかしこさなど、サルの魅力に触れてもらえたらうれしい」と話していた。