なでしこジャパン W杯2連覇はできるのか
3年前のロンドン五輪決勝でアメリカに負けた瞬間から、佐々木監督や選手たちの意識は「世界女王」から「挑戦者」に変わっている。格下デンマークと躍進著しいフランスに敗れ、9位に終わった今年3月のアルガルベカップが、なでしこジャパンの偽らざる現在位置であるとも認識している。 もっとも、W杯決勝トーナメントの組み合わせを見ると、なでしこジャパンがグループCを首位で突破すれば、優勝候補のドイツ、アメリカ、フランスとは決勝まで対戦しない可能性が高まってくる。 3強がグループリーグを首位で突破することが条件だが、準々決勝でブラジル、準決勝で開催国カナダに照準を定められる状況を生み出すためにも、日本時間6月9日に行われるスイスとのグループリーグ初戦が極めて重要になってくる。残るカメルーンとエクアドルからは確実に勝ち点3を計算できるからだ。 「これからの1分1秒も無駄にできない」 宮間の言葉からは、連覇へ向けた強烈な向かい風を追い風に変えるのもすべては自分たち次第、という悲壮な覚悟が伝わってくる。なでしこジャパンはイタリア戦から一夜明けた29日午後に千葉県内へ移動。3日間の練習を経て、6月1日夜に初戦と2戦目が行われるバンクーバーへと出発する。 (文責・藤江直人/スポーツライター)