「体の変化も徐々に受け入れた」という若村麻由美さん【インタビュー/後編】
マインドについても、同様に。 「『La Mère 母』の母親もそうなんですけど、ガス抜きができないと、ツラいんです。空の巣症候群と更年期が重なって、そのことだけに直面してしまうと、逃げ場を失ってしまう。だから家庭以外に仕事を持っているとか、生きがいがあるとか、母でいる以外の時間を持てている人は、ダメージが少ないかもしれませんよね。 もちろん、症状や解決策はその人その人でたぶん違うから、一概には言えないことですけど、自分が今いるここから見るだけじゃなく、他の視点から見ることって大切だと思います」 そう、視点を変えれば、世界は違う顔を見せてくれる。プライベートでは大問題と思っても、宇宙規模で考えれば一瞬の出来事。 「私ね、太陽と月が大好きなんです。夜、外にいるときは必ず、『お月さまはどこかな?』って夜空を確かめている。気がつくとお月さまって、どこまでも私を追いかけてきてくれるのよ(笑)。 太陽はね、たとえ雨の日でも『明るいってことは、雲の上に太陽がいるってことよね。おひさま、ありがとう!』って心の中で叫んだりして(笑)」 『La Mère 母』と『Le Fils 息子』、同時期にふたつの舞台に立つという大きな挑戦に立ち向かう若村さんに、きっと太陽と月も味方するはず。 「キャリア40年になろうとしている今、挑戦とか冒険をさせてもらえる作品に出逢えて、本当に感謝してます!」
『La Mère 母』 フランスの著名な作家・劇作家フロリアン・ゼレールの家族三部作のうち『La Mère 母』『Le Fils 息子』を東京芸術劇場で同時期に競演。『La Mère 母』は2010年にパリで初演し、イギリス、スペイン、南アフリカなどさまざまな国で上演。最近ではイザベル・ユペール主演によりブロードウェイで上演され、高い評価を集めた。 出演:若村麻由美 岡本圭人 伊勢佳世 岡本健一 2024年4月5日(金)~4月29日(月・祝) 東京芸術劇場 シアターイースト