南紀白浜空港を「特定利用空港」に指定へ 九州・沖縄以外では初 岸本知事「南海トラフ地震など災害時の活動がより円滑に」 3月頃に正式に指定
有事に備えて自衛隊が訓練などで空港を使える「特定利用空港」に、政府が南紀白浜空港を指定する方針がわかりました。和歌山県の岸本知事は8日、「南海トラフ地震など災害時の活動がより円滑にできるようになる」として指定を受け入れる考えを明らかにしました。3月頃に正式に指定される見通しです。 岸本周平知事は8日の会見で、「災害時の迅速な住民の避難、救援部隊の効率的な派遣、航空機による避難経路の確保などが実現しやすくなる。南海トラフ地震などが起きた場合、自衛隊や海上保安庁との緊密な連携がより深まるということを期待している」などとして、南紀白浜空港が政府から「特定利用空港」として指定されることを受け入れる考えを明らかにしました。 「特定利用空港」とは、民間での利用を基本としつつも、自衛隊などが平時から訓練などで航空機を利用するための協力体制が組まれた空港などのことで、新たに自衛隊の基地や駐屯地を設置するものではありません。これまでに政府が指定しているのは、那覇空港や長崎空港など8空港で、九州以外では初めて「特定利用空港」として指定される見込みです。
▼岸本知事「誤解されないよう丁寧に県民に説明」
政府は「攻撃目標とみなされる可能性が高まるとは言えず、むしろ我が国への攻撃を未然に防ぐための抑止力や実際に対応するための対処力を高め、我が国への攻撃の可能性を低下させるものである」などとしています。岸本知事は「必ずしも武力攻撃事態などを想定しているわけではないので、誤解されないよう丁寧に県民に説明していきたい」と述べました。 県によりますと、去年12月に政府から「特定利用空港」の指定の依頼があり、県は8日付けで依頼を引き受ける回答をしたということです。正式に指定されるのは今年3月ごろの見通しだということです。