SixTONES、フェスのパフォーマンスで発揮される“声”の強さ 初見の人をも魅了する圧倒的なステージ
今年2月から4月にかけて開催されたSixTONES初の4大ドームツアー『SixTONES LIVE TOUR 2024「VVS」』。のべ51万5000人を熱狂させたツアーファイナルを飾った、東京ドーム公演の模様を収録したライブDVD&Blu-ray『VVS』が10月16日にリリースされる。 【写真】SixTONES、ド派手な演出も話題になった東京ドーム公演 その特典映像の一つに、SixTONESにとって初めての音楽フェスへの出演となった『ごぶごぶフェスティバル2024』のライブパフォーマンスが収録されるのだが、その一つ「WHIP THAT」のパフォーマンス映像がSixTONESの公式YouTubeチャンネルで先行公開されている。そのステージ映像からはSixTONESのパフォーマンス力の高さ、そしてSixTONESの“VVS”=バイブスが伝わってきた。 『ごぶごぶフェスティバル2024』は、『ごぶごぶラジオ』(MBSラジオ)での浜田雅功の“ふとした思いつき”から開催に至ったというという音楽フェスで、今年5月11日、12日に大阪・万博記念公園 もみじ川芝生広場で開催され、2日間で計3万5000人を動員。SixTONESはDAY2、12日のステージに登場した。様々なアーティストが出演するフェスということでチケットの入手も困難だったこともあり、今回の特典発表に歓喜したファンも多いだろう。
「WHIP THAT」が持つ場を盛り上げる力
「WHIP THAT」は、ファンの間ではすっかりお馴染みの楽曲で、狼煙を上げるかのような森本慎太郎の声を合図に、京本大我のロングトーンが高揚感を煽る、ライブ会場を揺らすほどに盛り上がる楽曲だ。 先行公開されたライブ映像では、雨が振る中、カッパを着たオーディエンスを前に、彼らもまた雨に打たれながら全力でパフォーマンスする姿が。カラフルなタンクトップ姿の森本を筆頭に、メンバーの個性を踏襲したド派手な衣装に身を包んだ6人。歌いながら手や腕を動かしてオーディエンスのクラップを誘う。京本を先頭に、メンバーが下手へとジャンプしながら移動し、松村北斗がオーディエンスにもジャンプを促す。田中樹がステージの縁ギリギリに立って会場の隅々まで歌声と熱を届け、その後ろにはジェシーが立って両手を広げる。そして松村、京本、森本、髙地優吾が大きく広がるようにしてステージ上手に向かって移動。オーディエンスの視線を集めながらパフォーマンスしていく。 体を前倒さして訴えかけるように熱唱する田中や、京本もシャツをはだけさせながら歌唱し、ヘッドバンキングさながらの動きとともにサビ前の高揚感を煽る。ジェシーの声を合図に突入したサビでは、髙地がタオルをブンブン回して盛り上げ、ステージ中央では松村もより前に踏み込んで歌唱。森本も止まることなく体を動かして歌声で煽るなど、6人それぞれの熱をぶつけていく。 腹の底からの歌唱にフェイク、激しい動きとジェスチャーで盛り上げながらも、時折見せる笑顔や爽やかな表情はアイドルならではのシーン。そしてひときわ大歓声が上がったのが、ジェシーから始まる団体芸だ。1回目はガッツポーズをしてみせ、それにメンバーも続く。「One more!」という田中の言葉を受けて、ジェシーが大きく腕を横に振ると、オーディエンスからはさらに大きな歓声が返ってきた。 様々なジャンルのアーティストが集結するフェスで、オーディエンスの中にはきっと彼らの楽曲を知らない人もいたはず。しかも天候は雨。そんな状況でも手を挙げる人がどんどん増え、盛り上がりは増していく。わずか3分ほどの映像だが、パフォーマンスに込めた彼らの熱気に満ちた“VVS”が、水紋のように伝播していく様子が映し出されているのだ。 ただ歌を披露するだけではなく、語り掛けるような表情と気持ちのこもった歌唱。そして簡単に真似できるポーズをチョイスしたりジャンプを煽ったりと、その姿は楽しさを盛り込みながら「遊ぼうよ」と誘っているようだ。雨すらも演出のように活かし、野外ライブならではの荒々しさをまとった「WHIP THAT」を響かせた。前列はもちろん、会場の隅々まで楽しませようとする気概。それが画面を突き抜けるようにして、映像だけでも熱い“VVS”が伝わってきた。 YouTubeチャンネルに公開されている「WHIP THAT」のパフォーマンス動画は他にももう一本あり、2022年9月にアップされた『「WHIP THAT」from LIVE DVD/BD「Feel da CITY」(2022.1.6 YOKOHAMA ARENA)』には、公開から2年が経過した今でも新たなコメントが寄せられている。 直近に寄せられているコメントを読むと、普段は他のグループを応援しているが、今年4月、5月に行われた『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』で披露された「WHIP THAT」のパフォーマンスをきっかけに同映像に辿りついたという視聴者が複数おり、「印象に残っている」、「楽しかった」、「この曲だけはペンラの打点が高い」など驚きや感嘆の声が寄せられている。今年7月には、横浜アリーナで開催された『Talking Rock! FES.2024』にSpecial Actとしてサプライズ出演。アウェイという言葉が相応しいかはわからないが、自分たちのファンに囲まれたライブとは違った雰囲気でも大盛況だったと、SNSには多くの感想が飛び交っていた。 「WHIP THAT」を筆頭に、SixTONESには複数のアッパーチューンがあり、メンバーのキャラクターをエッセンスにしたパフォーマンスも彼らの魅力。ライブ会場で、その日のファンの熱気を盛り込んで完成させるタイプの楽曲もあり、会場でしか得られない高揚感はやはり言葉にならないものがある。SixTONESのパフォーマンスには、ボーダレスに誰もが楽しめる要素が詰まっている。まさに〈Voltageが越えてくborderline>だ。 個性に溢れる歌声と、様々なジャンルを横断する幅広い音楽性、そして10代の頃から様々なステージに立って培ってきた観る者を楽しませるステージ力が6人には備わっている。先日、ソニー銀行の「Sony Bank WALLET」新テレビCMソングが、SixTONESの書き下ろし新曲「BORDERLESS」に決定したが、その映像に彼らの姿はなくとも、音楽単体でも勝負できる歌唱力の強さをあらためて感じた。SixTONESは音楽、そしてパフォーマンスを通して人々を楽しませるプロ集団なのだ。 “ブチアゲソング”が複数あるほか、昨年のライブツアー『慣声の法則』で披露した「Cat Call」のようにアルバム収録曲の存在感も大きく、オーディエンスが息を吞むほどの妖艶さ魅惑するようなステージもSixTONESは展開する。 YouTubeチャンネルでは、映像作品本編に収録される「こっから」「Something from Nothing」のパフォーマンス映像も公開されている。映像単体でも相当な迫力だが、一度本編を通して視聴することをおすすめしたい。ステージ演出やセットリストに唸り、彼らの音楽を通したパフォーマンスの凄みに圧倒され……SixTONESのライブパフォーマンスでしか得られない高揚感がそこには詰まっている。様々な感情を揺さぶって、心に強くインパクトを残すSixTONESのライブ。彼らのエンターテインメントに一度触れたら最後……とだけ伝えておこう。
柚月裕実