大雨で水没しかけた車、運転席に首下近くまで水につかる女性…車外へ抱え出した父に長女「かっこよかった」
8月の台風10号接近時の大雨で浸水した自動車の車内から女性の救助に尽力したとして、宮崎県警高岡署は25日、宮崎市高岡町の親子3人に署長感謝状を贈った。(山畑壮起) 【写真】宮崎県警察本部
3人は会社役員、有村英敏さん(52)と長女(15)、長男(13)。同署などによると、8月28日午後1時40分頃、3人は外出先から帰宅。その際、自宅近くの冠水した道路に60歳代の男性が立っているのを長女と長男が見つけた。英敏さんが声をかけると、男性は「(妻が)車の中に閉じ込められ逃げられない」と話した。
英敏さんが水没しかけた軽自動車の元まで行くと、運転席に首下近くの高さまで水につかった60歳代の女性がいた。助手席のドアは開いており、英敏さんは女性を抱えて車外に出し、歩いて安全な場所まで運び、その後、3人で介抱した。女性は無事だった。男性は一緒に車に乗っていて先に車外に出て妻を助け出そうとしたが、一人ではできなかったとみられるという。
25日は英敏さんと長女が署を訪れ、感謝状を受け取った。英敏さんは「(救助でき)ほっとした」、長女は「父はかっこよかった」と話した。柳田憲一署長は「おかげで人命が救われた」と感謝した。