古都をピンク色に染めた「京都の桜」2024年春・名所スポットの桜景色3選
例年よりも遅めに咲いた京都の桜。待ちわびた分だけ、一層美しく彩ってくれているようです。4月初旬の桜景色をお楽しみください。
1.本満寺
本満寺は、応永17(1410)年、近衛関白左大臣道嗣(みちつぐ)の嫡子である玉洞妙院日秀上人(にっしゅうしょうにん)によって開山されました。創建当時は、もう少し西の新町通に3万坪の敷地を朝廷より与えられていましたが、天文5(1536)年におこった宗派間の紛争などのために一時大阪に避難。その後、現在地に移りました。 江戸時代には、8代将軍徳川吉宗の病気平癒を祈願したことから、将軍家の祈願所としても栄えた本満寺。春に訪れる人を出迎えてくれるのは、方丈前に立つ枝垂れ桜です。円山公園にある枝垂れ桜の姉妹木と言われ、樹齢は約90年。大きく広げた枝から降り注ぐように咲く薄紅色のカーテンは圧巻です。 【本山本満寺】 京都市上京区寺町通今出川上ル二丁目鶴山町16
2.哲学の道
京都市の市街地から少し離れて、白川通へ。銀閣寺方向へと続く琵琶湖疏水沿いの桜並木も京都屈指の桜スポットです。 ここは「哲学の道」と呼ばれる約2kmに渡る散歩道。京都大学教授であった哲学者西田幾多郎(きたろう)が、毎朝散策し、さまざまに思いを巡らせたことにちなみ、そう呼ばれるようになりました。近くには、日本画家橋本関雪がアトリエとして造営した日本庭園があり、哲学の道には関雪が寄贈した関雪桜も、まさに絵画のような春景色をつくっています。
3.元離宮二条城
江戸時代のはじめ、慶長8(1603)年に徳川家康の命によって築城され、寛永3(1626)年に本丸と二の丸御殿を有する現在の姿に改修された元離宮二条城。広大な敷地には、約300本の桜があります。 やや早めに咲き始めるケイオウザクラ、京都市の標本木でもあるソメイヨシノ、桜の園に多く植えられているのは背の低いサトザクラと、50品種もの桜が見られるのも、二条城ならではの特徴と言えるでしょう。
二の丸御殿が国宝であるのに加え、唐門や東大手門など敷地内の建造物の多くが重要文化財です。京都の歴史を紡いできた貴重な建物を見学しながら、春の散策をゆっくりお楽しみください。 【元離宮二条城】 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541 開城時間 /8時45分~16時(閉城 17時) ※本丸御殿は令和6年9月公開予定